はじめての簿記講座 

Updated on 10/16/99

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8回−月末の締め

キーワード:

最後の残高まで入れると貸借一致の原則は、総勘定元帳にも当てはまる

簿記では一番最初の残高を「前期繰越」、締めたときの最後の残高を「残高」という

 

前回は、少し取引の種類を増やしてみました。今回は、今までの取引を全部振り返って、月締めをやってみましょう。下記は、10/1から10/8までの取引を全て書いたものです。10/8で締めてしまうのは少しおかしいですが、10/9から10/31までは取引がなかったと仮定しましょう。

10/1

(借方)

現金

10,000

(貸方)

最初の残高

10,000

財布の中身

10/1

(借方)

食費

700

(貸方)

現金

700

昼食

10/2 

(借方)

食費 

850

(貸方)

現金

850

昼食

10/2 

(借方)

図書費

400

(貸方)

現金

400

雑誌

10/3

(借方)

図書費

800

(貸方)

現金

800

10/3 

(借方)

食費

2,000

(貸方)

現金

2,000

夕食

10/4 

(借方)

図書費

150

(貸方)

現金

150

新聞

10/4 

(借方)

食費

350

(貸方)

現金

350

朝食

10/6

(借方)

現金

20,000

(貸方)

雑収入

20,000

こづかい

10/7

(借方)

食費

1,000

(貸方)

現金

1,000

昼食

10/8 

(借方)

現金

5,000

(貸方)

借入金

5,000

友人から借り入れ

月末の締めを行うには、それぞれの勘定科目について総勘定元帳を作る必要があります。まず、おなじみの現金からはじめましょう。総勘定元帳の作り方を覚えていますか?第6回で説明しました。

10/1

最初の残高

10,000

 

 

10/1

 

 

食費

700

10/2 

 

 

食費 

850

10/2 

 

 

図書費

400

10/3

 

 

図書費

800

10/3 

 

 

食費

2,000

10/4 

 

 

図書費

150

10/4 

 

 

食費

350

10/6

雑収入

20,000

 

 

10/7

 

 

食費

1,000

10/8 

借入金

5,000

 

 

 

合計

35,000

合計

6,250

したがって、現金の10/31現在の残高(最後の残高)は、35,000−6,250=28,750となります。せっかくですから、これも上の総勘定元帳に入れましょう。それから、空欄がとても多くて間延びして見えますから、詰めて書くことにしましょう。

10/1

最初の残高

10,000

10/1

食費

700

10/6

雑収入

20,000

10/2 

食費 

850

10/8 

借入金

5,000

10/2 

図書費

400

 

 

 

10/3

図書費

800

 

 

 

10/3 

食費

2,000

 

 

 

10/4 

図書費

150

 

 

 

10/4 

食費

350

 

 

 

10/7

食費

1,000

 

 

 

10/31

最後の残高

28,750

 

合計

35,000

 

合計

35,000

借方、貸方の合計は、最後の残高まで入れると35,000で一致していることに注目してください。貸借一致の原則は、総勘定元帳にも当てはまるのです。

「最初の残高」「最後の残高」という名前はいかにも格好悪いですね。簿記では「前期繰越」「残高」という言葉を使います。これに入れ替えると次のようになります。

10/1

前期繰越

10,000

10/1

食費

700

10/6

雑収入

20,000

10/2 

食費 

850

10/8 

借入金

5,000

10/2 

図書費

400

 

 

 

10/3

図書費

800

 

 

 

10/3 

食費

2,000

 

 

 

10/4 

図書費

150

 

 

 

10/4 

食費

350

 

 

 

10/7

食費

1,000

 

 

 

10/31

残高

28,750

 

合計

35,000

 

合計

35,000

次回は、ほかの勘定科目についても総勘定元帳を作ってみましょう。やり方は現金と一緒ですから、皆さん自身で試してみてください。

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