はじめての簿記講座-第37回-簿記のまとめ(資産・資本)
Updated on 12/20/99
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「資産」(しさん) いずれ現金として回収されるか、現在は費用ではないがいずれ費用となるもの 「負債」(ふさい) いずれ返さなければならないお金のこと 「資本」(しほん) 誰かに出資してもらったもの(負債とは区別) 「収益」(しゅうえき) 返さなくても良いお金、すなわち「儲け」のこと 「費用」(ひよう) 費用と損をまとめたもの 全ての勘定科目は、これらの「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のどれかに必ず分類される 借方にあると増えるもの:資産、費用 貸方にあると増えるもの:負債、資本、収益 |
前回は、決算と損益、貸借対照表と損益計算書について説明しました。
さて、ここまででご紹介した仕訳から、共通して次のような言葉が出てきました。
「負債」(ふさい) いずれ返さなければならないお金のこと
「収益」(しゅうえき) 返さなくても良いお金、すなわち「儲け」のこと
「費用」(ひよう) 費用と損をまとめたもの
今までに出てきた勘定科目で、これらに含まれないものとしては、「現金」「普通預金」「受取手形」「売掛金」「前払費用」「資本金」などがあります。まず、「現金」「売掛金」「前払費用」は、まとめて「資産」(しさん)といいます。
「資産」は「いずれ現金として回収される」か「現在は費用ではないがいずれ費用となる」のが特徴です。たとえば、「普通預金」「受取手形」「売掛金」は、いずれ「現金」の形で回収することができます。また「前払費用」などは、「現在は費用ではないがいずれ費用となる」わけです。この2つは別々の性質のように見えますが、実はある意味では同じとも言えます。たとえば、「前払費用」については、今その元になっている費用の発生原因をキャンセルしてしまえば、現金として回収できるわけです。たとえば、借入金について前払利息が発生していたとしましょ。満期まで借り入れていれば最後は支払利息になりますが、途中で借入金を返済して解約すれば、前払いしている利息のうち一部は現金で精算されて戻ってきます。一方、「資本金」は誰かに出資してもらったものなので、いずれ出資者に返さなければならない「負債」とも言えますが、法律上は負債を全部返し終わった後に残った資本を出資者に返すと言う順番が決まっています。そこで、誰かに出資してもらったものを、返さなければならない「負債」と区別して「資本」(しほん)と呼びます。
簿記の世界では、
全ての勘定科目は、これらの「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のどれかに必ず分類されます。さて、仕訳をすると、これらの「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」が増えたり減ったりするわけですが、借方・貸方の関係とこれらの増減をまとめてみましょう。
借方にあると増えるもの:資産、費用
貸方にあると増えるもの:負債、資本、収益
借方と貸方は常に反対側ですから、上を言い換えると次のようになります。
貸方にあると減るもの(借方にあると増えるもの):資産、費用
借方にあると減るもの(貸方にあると増えるもの):負債、資本、収益
次回は、このように全ての勘定科目が「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のどれかに必ず分類されることと、その仕訳の意味についてもう少し説明しましょう。