はじめての簿記講座-第38回-仕訳のまとめ
Updated on 12/21/99
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「収益」「費用」だけを集めて集計したものを「損益計算書」とする 「資産」「負債」「資本」だけを集めて集計したものを「貸借対照表」とする |
前回は、全ての勘定科目が「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のどれかに必ず分類されること、借方にあると資産、費用が増えたことになることについて説明しました。
さて、ここまででご紹介した仕訳をもう少しこの分類から整理してみましょう。
この仕訳は以前にもご紹介しました。
(借方) 仕入 10,000 (貸方) 現金 10,000
「仕入」は後に売上から差し引いて、利益を計算するために使いました。つまり後で商品を売り上げたときに、元々幾らで仕入れていたかの仕入原価を計算するためのものです。したがって「仕入」は「費用」になります。損益計算書でも「仕入」を含めていました。
現金は言うまでもなく「資産」です。したがって、この仕訳は、
(借方) 費用の増加 (貸方) 資産の減少
ということになります。
この仕訳も以前にもご紹介しました。
(借方) 売掛金 10,000 (貸方) 売上 10,000
「売掛金」は後に現金として回収されるものですから、「資産」になります。他方、「売上」は本来返す必要のないものですから「収益」となります。損益計算書でも「売上」を含めていました。したがって、この仕訳は、
(借方) 資産の増加 (貸方) 収益の増加
ということになります。
この仕訳も以前にもご紹介しました。
(借方) 現金 10,000 (貸方) 借入金 10,000
「現金」は言うまでもなく資産です。「借入金」は後で返す必要がありますから「負債」となります。したがって、この仕訳は、
(借方) 資産の増加 (貸方) 負債の増加
ということになります。
そこで、これらをまとめると、全ての仕訳は次のパターンのどれかと言うことになります。
借方 |
貸方 |
資産の増加 費用の増加 |
負債の増加 資本の増加 収益の増加 |
負債の減少 資本の減少 収益の減少 |
資産の減少 費用の減少 |
皆さんも、今までにご紹介した様々な仕訳を上のように分類してみてください。
さて、このように「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のどれかに必ず分類する意味は何でしょうか。ここに「損益計算書」と「貸借対照表」の意味があります。つまり、
「収益」「費用」だけを集めて集計したものを「損益計算書」、「資産」「負債」「資本」だけを集めて集計したものを「貸借対照表」とするわけです。多くの簿記の本はこの説明を一番最初に紹介しますが、「はじめての簿記講座」では敢えて一番最後に紹介しました。様々な仕訳を通じて、こうした性質は自然に頭に入ってくるものだからです。
さて、「はじめての簿記講座」はこれで終わりです。来年初からは続編「やさしい簿記講座」を開講すると共に、「はじめての簿記講座」の分かりにくいところをリニューアルします。また練習問題を追加して、自分でも練習できるようにしようと思っています。すべて
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