はじめての簿記講座-第26回−利息の計算期間

Updated on 11/27/99

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預金の預入期間と決算とは必ずしも一致しないので、決算のときには、預金の途中までの利息を計算してやる必要がある

決算までの利息を「受け取る権利」を「仮に」計算して、勘定科目「未収利息」(みしゅうりそく)として仕訳する

前回は、利息の計算と仕訳について説明しました。今回は、利息の計算をする期間について説明しましょう。

前回と同じ例を取り上げます。元本が1,000,000円、利率が1%の普通預金を7/1に預けたときのことを考えてみましょう。1年間の預金であれば、翌年の6月30日に満期を迎えて、1%の利息とともに受け取ることができます。

7/1預け入れ時の仕訳は次のようになります。

(借方) 普通預金 1,000,000 (貸方) 現金 1,000,000

翌年6/30満期時の仕訳は次のようになります。

(借方) 現金 1,010,000 (貸方) 普通預金 1,000,000

(貸方) 受取利息 10,000

もし、この会社の決算が今年の12/31だったら、7/1から12/31までの利息はどう考えたらいいでしょうか。6/30に満期が来るまでは、確かに利息を受け取れないので、利息は0円と考えてよいでしょうか。

本当は中途解約すれば、12/31までの利息(つまり7/1から12/31までの6ヶ月間)を計算したうえで受け取ることができるはずです。したがって、12/31時点では、半年分の利息(1年分の利息10,000÷2=5,000円)を計算しておくべきだということになります。したがって、その分の仕訳は次のようになります。

(借方) ?? 5,000 (貸方) 受取利息 5,000

利息を受け取るときは6/30満期時と同じく貸方に「受取利息」を持ってきます。仮にこの日に現金で受け取るとすれば、現金が増えて借方に来るから、受取利息はその反対側(貸方)というわけです。ただ、ここで現金を借方に本当に書いてしまってはいけません。実際は現金で利息を受け取ったわけではないからです。

ここでは、「半年分の利息を受け取る権利」を「仮に」計算しただけなので、そのための特別な勘定科目「未収利息」(みしゅうりそく;まだ受け取っていない利息の意味)を使います。

(借方) 未収利息 5,000 (貸方) 受取利息 5,000

これは、あくまでも12/31時点で利息が幾らになるか、という計算ですから、12/31に決算をする場合にのみこのような計算をします。決算などと言うことを全く考える必要がなければ、満期になったときにのみ、預金の利息を計算すればよいのですが、預金の預入期間と決算とは必ずしも一致しないので、決算のときには、このように預金の途中までの利息を計算してやる必要があるわけです。

次回は、利息の計算期間についてもう少し取り上げて見ましょう。


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