はじめての簿記講座-第22回−商品の流れ(その7-まとめ)


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前回は、売るときの原価はその時在ったものの平均として考える商品の流れ、移動平均法をご紹介しました。今回は、ここまでご紹介した商品の流れをまとめてみましょう。

前回までご紹介した八百屋さんの例をもう一度おさらいしてみましょう。
昨日からのニンジンの繰越しは、35本(単価20円、仕入れ値700円)でした。
今日は朝一番に、ニンジンを15本仕入れ、単価は30円、仕入れ値は450円でした。
今日の午前中はニンジンが全部で30本売れ、したがって昼の残りは20本です。つぎに、午後にもう一度ニンジン10本を仕入れて、それが単価26円だったとしましょう。さらに、午後はニンジンが全部で15本売れました。

入り

摘要

金額

単価

金額

単価

繰越

35

700

20

朝一番の仕入

15

450

30

午前の売上

30

午後の仕入

10

260

26

午後の売上

15

在庫

15

60

1,410

60

1,410

 

総平均法

総平均法は、総平均法は、繰越分と仕入分とが全部均等に売れ、均等に売れ残った、と見なす 方法です。

総平均法は、売上原価も期末の原価も、繰越分と仕入分の総合計から総平均の単価を求めたもので計算します。そこで、

総合計1,410÷繰越分と仕入分の合計60本=単価23.5円

売上原価=23.5X45=1,058円(1,057.5円の円単位四捨五入)

在庫=23.5X15=352円(353.5円のところ、合計1,410になるよう調整)

 

先入先出法

「先入先出法」は、先に仕入れた商品が先に売れる(出ていく)仕組みです。

今日の在庫は、反対に後から仕入れた方から遡って計算します。そこで、

在庫15本を後の仕入からさかのぼると、

単価26円のもの10本

単価30円のもの5本から成り立っていますから、

在庫=26X10+30X5=410円

売上原価=1,410−410=1,000円

 

後入先出法

「後入先出法」は、後に仕入れた商品が先に売れる(出ていく)仕組みです。

今日の在庫は、反対に先に仕入れた方から遡って計算します。そこで、

在庫15本を先の仕入からさかのぼると、

単価20円のもの15本から成り立っていますから、

在庫=20X15=300円

売上原価=1,410−300=1,110円

 

移動平均法

「移動平均法」は、売るときの原価はその時在ったものの平均として考える商品の流れです。

移動平均法では、出入りするたびにその時にあるものすべてを同じ単価として計算し直します。したがって、ここまでのような簡単な計算方法はなく、順番に流れを追いかけていくしかありません。そこで、

最初の売上から順番に見ていくと、

最初に売り上げたときの単価=(700円+450円)÷(35本+15本)=23円

したがって、その売れ残りは、23×20=460円

次に売り上げたときの単価=(460円+260円)÷(20本+10本)=24円

したがって、その売れ残り(最後の在庫)は、24X15=360円

売上原価=1,410−360=1,050円

 

商品の流れのご紹介はこれで終わりです。次回は、株券や債券などの有価証券の処理を説明しましょう。 


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