Updated on 11/10/99
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「どのくらいもうかったか」を知るのが簿記の大事な目的の一つ
売上から仕入を差し引けば幾ら儲かったか分かる
「儲け」(もうけ)が幾らあるかを計算するには、「仕入」勘定をそのまま使う
在庫になったものを「繰越商品」(くりこししょうひん)という
前回は手形関係の仕訳をご紹介しました。今回は、商品の流れについて説明しましょう。
商品についてはしばらくご説明していなかったので、少し復習しましょう。商品を仕入れたときは「仕入」、売ったときは「売上」という勘定科目を使うのでしたね。覚えていますか。
さて、商品の売り買いを簿記に記録して、最後に何を知りたいかというと、商品の売り買いで「どのくらいもうかったか」、ということです。「どのくらいもうかったか」を知るのが簿記の大事な目的の一つといえます。
おこづかい帳で商品の売り買いを記録することはあまりないので、皆さんがフリーマーケットなどで商品を売り買いすることを考えてみましょう。
今回フリーマーケットに出展する商品は、いままでに買ってあったもので、1,000円で買った本と500円で買った本、それに、怪しげな観光地で買ったTシャツ2,000円です。フリーマーケットで売りさばいたら、Tシャツと1,000円の本は売れましたが、500円で買ったときの本は売れませんでした。フリーマーケットでは、売上代金として4,000円が手元に残りました。これを仕訳で示すとどうなるでしょうか。
まず、もともとあった商品です。ずっと昔に現金で買いました。買ったものの総額は、1,000+500+2,000=3,500です。
(借方) 仕入 3,500 (貸方) 現金 3,500
次に売上代金は
(借方) 現金 4,000 (貸方) 売上 4,000
「儲け」(もうけ)が幾らあるかを計算するには、「仕入」勘定をそのまま使います。幾ら仕入れたかが分かれば、売上から差し引けば幾ら儲かったか分かるからです。
ところが、ここで、売上4,000−仕入3,500=もうけ500円というのはいかにも短絡的発想です。500円の本は売れなかったのですから、その分を差し引かなくてはなりません。この売れなかった本はどうしましょうか。次回のフリーマーケットで再度チャレンジということになります。そういう、在庫になったものを「繰越商品」(くりこししょうひん)といいます。「仕入から差し引く」仕訳はどうしたらよいでしょうか。通常は仕入は借方に書きますので、引き算であれば反対側、つまり貸方に書きます。
(借方) 繰越商品 500 (貸方) 仕入 500
さて、儲けは幾らになったでしょうか。仕入の金額を集計してみましょう。
3,500-500=3,000円です。従って、売上4,000-仕入3,000=儲け1,000円ということになるわけです。これが今回のフリーマーケットの儲けです。
次回は、再度フリーマーケットに挑戦するときの商品の流れについて説明しましょう。