はじめての簿記講座 

Updated on 11/10/99

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16回−商品の流れ(その1-基本)

キーワード:

「どのくらいもうかったか」を知るのが簿記の大事な目的の一つ

売上から仕入を差し引けば幾ら儲かったか分かる

「儲け」(もうけ)が幾らあるかを計算するには、「仕入」勘定をそのまま使う

在庫になったものを「繰越商品」(くりこししょうひん)という

前回は手形関係の仕訳をご紹介しました。今回は、商品の流れについて説明しましょう。

商品についてはしばらくご説明していなかったので、少し復習しましょう。商品を仕入れたときは「仕入」、売ったときは「売上」という勘定科目を使うのでしたね。覚えていますか。

さて、商品の売り買いを簿記に記録して、最後に何を知りたいかというと、商品の売り買いで「どのくらいもうかったか」、ということです。「どのくらいもうかったか」を知るのが簿記の大事な目的の一つといえます。

おこづかい帳で商品の売り買いを記録することはあまりないので、皆さんがフリーマーケットなどで商品を売り買いすることを考えてみましょう。

今回フリーマーケットに出展する商品は、いままでに買ってあったもので、1,000円で買った本と500円で買った本、それに、怪しげな観光地で買ったTシャツ2,000円です。フリーマーケットで売りさばいたら、Tシャツと1,000円の本は売れましたが、500円で買ったときの本は売れませんでした。フリーマーケットでは、売上代金として4,000円が手元に残りました。これを仕訳で示すとどうなるでしょうか。

まず、もともとあった商品です。ずっと昔に現金で買いました。買ったものの総額は、1,000+500+2,000=3,500です。

(借方)    仕入       3,500      (貸方)    現金       3,500

次に売上代金は

(借方)    現金       4,000      (貸方)    売上       4,000

「儲け」(もうけ)が幾らあるかを計算するには、「仕入」勘定をそのまま使います。幾ら仕入れたかが分かれば、売上から差し引けば幾ら儲かったか分かるからです。

ところが、ここで、売上4,000−仕入3,500=もうけ500円というのはいかにも短絡的発想です。500円の本は売れなかったのですから、その分を差し引かなくてはなりません。この売れなかった本はどうしましょうか。次回のフリーマーケットで再度チャレンジということになります。そういう、在庫になったものを「繰越商品」(くりこししょうひん)といいます。「仕入から差し引く」仕訳はどうしたらよいでしょうか。通常は仕入は借方に書きますので、引き算であれば反対側、つまり貸方に書きます。

(借方)    繰越商品              500         (貸方)    仕入       500

さて、儲けは幾らになったでしょうか。仕入の金額を集計してみましょう。

3,500-500=3,000円です。従って、売上4,000-仕入3,000=儲け1,000円ということになるわけです。これが今回のフリーマーケットの儲けです。

次回は、再度フリーマーケットに挑戦するときの商品の流れについて説明しましょう。

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