はじめての簿記講座 

Updated on 10/29/99

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13回−いろいろな仕訳

キーワード:

どの仕訳でも現金を中心に考える

取引の内容が逆であれば、仕訳も反対になる

商売をはじめるときの元手になるお金を「資本金」(しほんきん)と言う

資本金は、返すことを前提にしていない代わり、商売で儲かった分け前を要求されるのが資本金の特長

前回は掛けの支払いと回収について説明しました。今回は、それ以外のいろいろな仕訳をご紹介しましょう。その場合も基本となるのは、現金です。

実際には、現金以外にも様々なお金の管理方法があります。その一つに預金がありますね。個人ではもっとも一般的なのは普通預金です。

現金のうち、あまったお金10,000円を普通預金に預けるときはどう仕訳したらよいですか。また現金を中心に考えましょう

まず、手元現金が減ってしまうわけですから、現金は貸方に入ります。したがって、必然的に普通預金が借方ということになります。

(借方)    普通預金              10,000     (貸方)    現金       10,000

逆に預金をおろしたときはどうでしょうか。手許現金が増えるので、現金は借方です。したがって、必然的に普通預金が貸方ということになります。または上の取引とまったく逆なわけですから、仕訳も反対になると考えても良いでしょう。

(借方)    現金       10,000     (貸方)    普通預金              10,000

お金を借りたときはどうでしょうか。手元の現金は増えるので、現金は借方です。したがって、必然的に借りたお金(借入金)が貸方ということになります。

(借方)    現金       10,000     (貸方)    借入金    10,000

反対にお金を返すときはその逆で、手元の現金から借金を返した結果、手元の現金が減るので、現金は貸方です。したがって、必然的に借りたお金(借入金)が借方ということになります。

(借方)    借入金    10,000     (貸方)    現金       10,000

商売をはじめるときは、だいたい元手がいります。最初のころは店を開いたり、周辺の必要な器具などを買ったりして何かと物入りです。そのため最初はお金がいるわけです。このようなお金を「資本金」(しほんきん)と言います。商売の最初はこのような資本金をいろいろなところからかき集めてきますが、最終的には現金や預金などの形になります。分かりやすくするために現金を中心に考えてきたので、ここでも現金が100,000円、資本として集まったとしましょう。すると、仕訳はどうなるでしょうか。

結局、手元の現金は増えているので、現金は借方です。したがって、必然的にかき集めたお金(資本金)が貸方ということになります。

(借方)    現金       10,000     (貸方)    資本金    10,000

このようにしてかき集めてきたお金は、借りたお金と違い、基本的に返すことを前提にしていませんその代わり商売で儲かった分け前を要求されるのが資本金の特長です。したがって、借入金とは区別してください。

次回は、銀行関係の取引をもう少し掘り下げてみましょう。

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