はじめての簿記講座 

Updated on 10/27/99

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11回−より「商売」的な仕訳

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基本は「おこづかい帳」にある。おこづかい帳にだったらどうやって帳簿をつけたらよいかを考える

商品を仕入れるときは、「仕入」(しいれ)、売るときは、「売上」(うりあげ)という勘定科目を使う

「ツケ」のことを「掛け」といい、「掛けで買ってくること」ときは「買掛金」(かいかけきん)、「掛けで売ってくること」ときは「売掛金」を使う

「現金」を基準にして、「現金」の代わりに何で受け取ったり支払ったりしたかを考えてみる

おこづかい帳から発展して、より商売に近づいた簿記をご紹介しましょう。ただし、やはり基本は「おこづかい帳」にあることを忘れないでください。分からなくなったら、その取引を自分に置き換えてみて、おこづかい帳にだったらどうやって帳簿をつけたらよいかを考えると、分かりやすくなります。

商売のことがよく分かりにくければ、自分でフリーマーケットへものを持ち込んで売りさばいている姿を想像してみても分かりやすいかもしれません。

まず、商品を買わないと商売がはじめられないので、商品を買ってみましょう。商品を10,000円分仕入れてみます。現金で代金を支払います。

(借方)     仕入       10,000     (貸方)     現金       10,000

商品を仕入れるときは、「仕入」(しいれ)という勘定科目を使います。現金で支払ったわけですから、現金が減りました。したがって、現金は貸方にくることになります。

今度は、商品を売ってみましょう。幸い、12,000円で売ることができたとします。現金で代金をもらいました。

(借方)     現金       12,000     (貸方)     売上       12,000

商品を売るときは、「売上」(うりあげ)という勘定科目を使います。現金で代金をもらったわけですから、現金が増えました。したがって、現金は借方にくることになります。

商品を「ツケ」で買ったらどうでしょうか。個人ではなかなか「ツケ」にできませんが、会社では「ツケ」が一般的です。毎日商売していて、そのたびに現金で支払っていたのでは大変な手数になってしまうので、日ごろはツケにしておき、月末とか15日とか、一定の期間で区切って、あらためて「ツケ」を支払うようにしています。こういう会社の「ツケ」のことを「掛け」といいます。「ツケ」でものを買ってくることを、「掛けで仕入れる」といいます。

この仕訳をどうしたらよいでしょうか。仕入れることに変わりはないので、借方は先ほどと同じ「仕入」を使います。貸方はどうでしょうか。

ここは、「現金」の代わりに「ツケ」という現金で支払ったと考えてみましょう。何でも現金に置き換えてみるわけです。

(借方)     仕入       10,000     (貸方)     ツケ        10,000

「ツケ」ではいかにも飲み屋のようで、会社らしくありません。そこで、「掛けで買ってくること」を意味する勘定科目「買掛金」(かいかけきん)を使います。

(借方)     仕入       10,000     (貸方)     買掛金    10,000

反対に売るときはどうでしょうか。「ツケ」で売るときも、同じように「掛けで売る」といいます。売り上げることには代わりがないので、貸方の「売上」はそのまま使います。反対に借方は、現金の代わりに「ツケ」という現金で代金を受け取ります。したがって、「掛けで売ってくること」を意味する勘定科目「売掛金」(うりかけきん)を使います。

(借方)     現金       12,000     (貸方)     売上       12,000

何でも、「現金」を基準にして、「現金」の代わりに何で受け取ったり支払ったりしたかを考えてみてください。分かりやすくなると思います。

次回は、もう少し「掛け」について説明します。

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