South India vol.1
若いうちに行きたいと思っていたインド。
ダンナも今年はちゃんと夏休みが取れると言うので、かなり早くからプランを練っていました。
メキシコのときもそうだったけれど、私は旅行のきっかけが本ってことが多いです。
今回も、「インドにするか?ネパールにするか?」って迷っていて最終的に決めたのは、河童さんの本でした。
あの、石窟遺跡 エローラ・アジャンタ遺跡を見てみたい!!というわけで、早々と旅行の主目的決定しました。

航空券も予約して、1泊目のホテルも予約して、列車も予約して、あとは行くだけ!と思っていたら大変なことが起きてしまいました。
ムンバイ 大洪水のニュース。 予約していたアウランガバード行きの列車もキャンセルになってしまいました。
これ、出発3日前のこと。
散々悩んで、エローラ・アジャンタ行きは諦め、チェンナイから南へ行くプランに切り替えました。
そこから大急ぎでいろいろ調べましたが、調べれば調べるほどインドは広くて広くて。
とりあえずコバラム・ビーチでのんびりしてみるか、と決めたもののあとは行き当たりばったりの旅行となりました・・・。
今回もマレーシア航空で、クアラルンプールまで。
クアラルンプールからチェンナイへ入ります。
このチェンナイ行きの飛行機からすでにインドは始まっていました。
乗客は私たち以外ほとんどがインドの方々。これがまーすさまじい。
まず全然みんな乗ってこない。後からぽつりぽつりと登場。
ようやく揃って離陸。「インドの飛行機は遅れる」じゃなくて「インドへ行く飛行機は遅れる」でした。
シートベルト着用のサインが消えると、スッチーさんを呼びつけ、
あれもってこい、酒が足りない、席を移動したい、うんぬんかんぬん。
あんなに乗客に振り回されて忙しそうな乗務員さんたち、わたくし初めて見ました。
いつもはおだやかな笑顔を向けてくれるマレーシア航空の乗務員さんが、切れかけてるのですよ。
おそるべし・・インド人。
入国審査でもちょっといやな思いをしました。
私が書いたのを写した入国カードを見せて、ダンナはすんなり通してくれたのに、
その後の私には「ホテルの名前が書いてない」と言ってくるのです。
ダンナを通した人と同じ人だよ?
「まだ決まってない」と言っても納得しないので、ホテルのプリントアウトを見せたら、やっと通してくれました。
ダンナに「早くもなめられたな」と言われて、なんだかガッカリ。

さて、プリペイドタクシーに乗って(ここでも一悶着あったけどまぁいいでしょう)やっとホテルへ。
1泊目だけインターネットで予約しておいたのですが、これがまーキタナイ。
部屋は暗いし、エアコンの噴出し口にはトイレの芳香剤がはさまってるし・・・。
なんでこんなとこ来ちゃったんだろ・・なんて思いながら、携帯用ベープマットをセットして、ベッドにもぐりこみました。
次の朝起きると、ホテルの窓から海が見えました。
シャワーはちゃんとお湯が出るし、昨日は触りたくもなかったバスタオルも臭くなかった。
このホテルもまぁいいじゃないかと思えてくる。
早くも順応しつつある自分にちょっと驚きました。

さて、すっきりしたところでチェンナイ中央駅に行って今日の夜行列車を予約しに行くことにしました。
Chennai Central Stationには外国人専用窓口(というか別室)があって、
英語のできるオバチャンが対応してくれます。
ここで、チェンナイ → カニャークマリ と トリバンドラム → チェンナイ の列車予約をしました。
ぼろいコンピュータに打ち込んで、年代物のプリンタで印刷されたチケットで大丈夫か、とか
でっかいノートに私たちの名前を走り書きしたのは何の意味があるのか、とか
いろいろ不思議なことはあったけれど、オバチャンの「No problem!」を信じることにしました・・。
(これが一番信じられない気がしたけれどね・・・)
街中は英語であふれてる。
タミル語が読めない観光客にはありがたい。
リキシャにはメーターがついてたけど、
そういえば私たちは一度も使わなかった。
オッチャン、あぶなーい!!
中央駅からてくてくチェンナイの街をてくてく歩いてみる。
チェンナイは南インドにあり、タミル人がとても多い地域でもあります。
そのせいか、スリランカとすごくよく似ていました。
いや、スリランカよりももっと汚くて、もっとごちゃごちゃうるさい感じかな。
歩いているうちに二人ともチェンナイにすっかり疲れてしまい、
ようやく見つけた近代的なカフェに入って遅い朝ごはんを食べることにしました。

エアコンがギンギンに効いたカフェでサンドイッチとアイスティーを飲む私たち。
周りにはインドの若者たちがデートしたり、インターネットしたりしてる。
ふと窓の外を眺めると、腰巻だけの姿で杖を突いてもくもくと歩いている髭の老人。(巡礼者かな)
「このカフェにいる若者と、あのおじいちゃんとのギャップがインドなのかなぁ」と私。
「この国は、何が幸せだかわからなくなるね」 とダンナ。
すでにインドにやられっぱなしの二人でした。

ひとまずホテルに戻ってお昼寝。
インドのホテルは24時間制のところが多いのでとてもありがたいです。
昨日夜遅くにチェックインした私たちは、夜遅くまで部屋を使えるというわけ。

列車の時間より少し早めにホテルをチェックアウトして、ショッピングモールへ。
ここのフードコートで夜ご飯用のパンを買って、駅へ向かいました。
出発の1時間前に駅に着くと、すでに列車は止まっていました。
私たちの予約した車両を探してうろうろ うーろうろ。インドの列車って長いねー!
近くにいた警官(機関銃を持ってたから軍人?)に教えてもらって、
車両まで行くとちゃんと私たちの名前がリストに載っていました。
うん、あのオバチャンを信じてよかった。
私たちが予約したのは、なーんとマハラジャ1等コンパートメント!
河童さんがスケッチしていたのとそっくりそのままの個室寝台でした。
列車は時間キッカリに出発。うーん、飛行機は遅らすのに列車は遅れないのはなんでだろうなぁ?
しばらくすると、枕、毛布、シーツ、バスタオルと石鹸をくれました。
それからはゆうゆう快適な列車の旅でした。
買っておいたパンはあんまりおいしくなかったけど、ゴトンゴトンと揺れる列車で寝っころがって読書。
あまりに快適すぎて、わたくし19時前には寝てしまいました。
エアコンぎんぎんで寒い寒い!
吹き出し口にバスタオルを詰め込みました。
帰りの列車で、吹き出し口の閉じ方を習得!
夜ご飯に買ったパン。
冷めちゃうとどれもおいしくなかった・・・。
枕元の読書灯。コンパクトでかわいい。
車窓から朝焼けが見えました。
ごちゃごちゃしたチェンナイから、一晩寝たら別世界に来てしまった。
なんだか不思議な気持ちでした。
朝、私より早く起きてトイレに行ったダンナが慌てて帰ってきました。
「おい!みんな降りちゃっておれたちしかいないぞ!」
「だってカニャークマリは終点だよ。このまま乗ってりゃ大丈夫でしょ。」
私たちが起きたことに気付いた人たち(たぶん1等車両お世話係)がやってきて
「チャイのむか?」
寝起きにあまーいチャイ。胃にしみわたってうまーい!
二人でまったりしていると、「もう着くぞ!早く支度しなさい!」とせきたてられる。
大勢に見守られながらパッキング。(なんでみんな集まってくるかなぁ?)
私がシーツや毛布をたたもうとすると、
みんなで「いいからそのままにしときなさい!」と一斉に止められる。
そうこうしているうちに、カニャークマリ到着。おそらく時間キッカリかちょっと早いぐらいだと思う。
朝日がまぶしくて、ほんとうにきれいだった。
駅を出て、インドの最南端、一番先っぽの海岸へ向かいました 



戻る