発表会 2002.07.06

◆向ヶ丘遊園の活用

  新井紀元、岩間澄子、大中睦夫、黒田昭、佐藤清忠、佐藤徹、
  田淵比奈子、原田博、渡辺博

・問題化した後では手遅れ。バラ園は川崎市で保全になりそうだが、他はどうなる?
 そもそもの成り立ちは?

◇向ヶ丘遊園のプロファイル
 1927年 小田急線開通と同時に開園
 1958年、バラ苑オープン
 土地面積 29.1ha 21.7ha 生田緑地都市計画決定区域
              7.4ha 上記指定外
              (ボート池・グランド南の山林部分)
 地権者 小田急を含めて9者
  注)生田緑地都市計画決定面積(昭和16年3月に決定)
    177.4ha(買収面積109.73ha、未買収67.67ha)

◇向ヶ丘遊園の活用
1.生田緑地全体として向ヶ丘遊園跡地の緑の保全(雑木林・バラ苑・崖線の緑地)
2.計画決定区域外の遊園跡地を決定区域に取り入れる(遊園の1/3)
3.市民参加型の運用
   ・遊具の撤去後、市民農園の開設
   ・グランドの市民開放(運動公園)
   ・資金の創設
   ・ボランティアの活用

◇特にバラ苑
1.年度内の暫定処置か? 新聞情報では当分存続する?
2.ボランティア募集 約700名応募
3.公園緑地協会に依頼
4.ボランティアの活動 草取り、周辺の山林の下草取り、落ち葉拾い
5.問題点 ・バラ苑へのアクセス(107段の階段)
      ・老人、車イスの対応
      ・料金の収集方法

◇今後の構想
・みどりの回廊(ベルト地帯)の構築
・小沢城址から多摩遊歩道−東生田緑地(多摩健康の森)−生田緑地−
 向ヶ丘遊園跡地−長尾神社−東高根森林公園
 生田緑地−とんもり谷戸−菅生緑地−水沢の森(宮前区健康の森)


◆多摩丘陵の農業と緑地を考える−飛び地・岡上における市民農園計画−
 池田親衛、笠松豊、鎌谷蓮衛、後藤倶子、高城加世子、林徳、本田智子、松野国雄、山本倶子

・面積 145.3ha 農業振興地域73.6ha、営農団地36.5ha
・岡上の南西部、梨子木地区。3つの谷戸が複雑に入り込む土地。
・谷戸の中心部に客土をして、約2000坪の農地を作り出す。
 上段は市民農園として貸し出す。中段は高齢者のための癒しのガーデン。
 下段はブルーベリー栽培。

・農園の左右の雑木林を整備して、里山保全。炭焼がま。

◇市民農園のシステム
1.組織づくり  川崎自然と共生の会
2.経営システム 1区画3000円×130区画=月39万
3.恵みの享受  健康。作物。

例:三鷹市大沢地区、練馬の農業体験農園、岡上の環境保全型農業


◆斜面緑地の保全 〜〜 守ろう 残そう 斜面の緑地 〜〜
  勝田佳代子、小海司、西川興亜

1.緑地が与えてくれる数々の恵み

2.急激に消滅している川崎市の緑地
   昭和40年代4182ha→平成11年1402ha

3.緑地に関する川崎の環境問題のあゆみ
  1972年、「みどりの憲法」制定直接請求運動
  1973年、「川崎市における自然環境の保全及び回復育成に関する条例」公布
  1988年、「川崎市域における斜面緑地の保全手法の在り方」を答申。

  川崎市の緑政に対する投資の伸びが極端に低い。最近は減っている。

4.多摩区、高津区、中原区の緑地の現況
  
5.緑地保全の活動をしているグループ
  市民健康の森、ボランティア&緑政課との連携
  ボランティアグループ、ネットワーク

6.斜面緑地を・保全するための提案
・官と民、力を合わせた斜面緑地の保全活動の推進
 市民、行政、地権者、デベロッパー、一般企業、学校

@行政にお願いすること。
・一定以上の条件下の開発禁止「斜面緑地保全法」。金沢市の例。
・急傾斜崩壊危険地域の崩壊防止対策の実施
・開発禁止区域の買い取りと公園化
・開発区域地権者への優遇税制の制定
・斜面緑地保全ボランティアやネットワークへの補助金等の財政支援

A市民が実施すること
・斜面緑地の保全を目的とするボランティアやネットワークへの積極的な参加
・斜面緑地の保全活動をしているグループの連携強化
・小中学校との「保全活動」「自然観察会」「共遊」等の実施

B学校・生徒にお願いすること
・安全な斜面緑地での「青空教室」や「遊戯」の推進
・斜面緑地に関するカリキュラムの導入
・斜面緑地の保全を目的とするボランティア等への参加

C地権者にお願いすること
・斜面緑地を、レクレーションや憩いの場として市民へ積極的に開放する
・斜面緑地を手放す場合には、自治体に優先的に譲り渡す

Dデベロッパーにお願いすること
・業界全体で「斜面緑地の新規購入・新規開発」禁止を取り決める
・斜面緑地を開発した場合には「環境破壊税」を納める
・宅地開発に際し、残す緑地の場所は近隣住民と話し合いの結果で決める
・宅地や住宅の販売に際し、近隣の公園や緑地の写真を広告に使う場合には
 緑地保全協力費を支払う。

E一般企業・公共企業にお願いすること
・社員に斜面緑地保全ボランティアへの積極的な参加を呼びかける
・「美しいまちづくり」に協力するために、斜面緑地への建物の建設はしない


◆川崎縦貫鉄道高速鉄道線の車両基地を水と緑の広場に
  阿久澤充、斎藤光正、土方武

・菅生緑地、市民健康の森は、公園として計画されている区域だけでなく、源流の森としての
 広がりを持ったものです。このため、長期的な計画として3つのステップで整備します。
  第一期:事業認可区域の部分
  第二期:都市計画区域の部分 西地区の整備
  第三期:生産緑地と北部市場とを含む部分

・早淵川、矢上川、平瀬川、源流の森。
 人と人を川で繋ぎ、コミュニティの原点となる森

・類似例:小田急線、喜多見ふれあい広場

・車両基地を泉の森に
・耕作地の広がる里山づくり
・車両基地の農園化 農業体験農園、市民農園、小学校実習農園


◆次世代に引き継ぐプラン
  五十嵐静子、石森敏朗、遠藤敦子、須崎よし江、竹井斎、二見昭宏、山田健治郎

・何が緑地保全のブレーキとなっているか
  住民も議員も関心が薄い
  調査も生きていない
  実行力乏しい行政プラン
  人・金・情報不足
  方針づくりも部分的

・広い視野からの長期プランをつくろう(基本姿勢)
  高齢化時代のあるべき緑地の姿を画く
  緑地保全とまちづくりは、その場のやりとりでなく長期的なプランニングする
  このグループは部分より全体を見る視点で考える
  長期計画は地権者、業者、行政、市民で総合的につくる

・地域のプランは、まず住民の手で(これからのプランづくり)
  提案を広め、実現へ
  プランは地域ごとに
  住民の関心を呼びさます

・今すぐ手をつけるべきこと(残る緑をどう守る)
  都市化の隙間となった緑
  緑と生きものは一体
  残る緑を、どう守るか

・緑を守る、3つの条件づくり(法令、開発、人口)
  やはり欠かせぬ法的規制
  地域協定を確かなものへ
  地権者の選択肢を広げる
  どこを住宅区域とするべきか
  必要な地域人口計画

・次世代の人と自然とのふれあいを広げる
  子供を自然の中につれだそう
  子供と自然を結ぶ人を育てる
  公園を制約から開放
  世代間交流の場をつくる
  農を守り 活かす
  歴史・文化を身近に

○今すぐ手を打たないと守れないもの、、短兵急ではなくじっくりプランつくり
 緑の創造、、、生態系保全、多様な自然、生きものの保全、創出

○行政に依存するだけでなく、市民自らが、。まず良くしらないといけない。
 地域性、個別。法的支援が必要。人口減少時代の住宅開発は?
○人つくり、次の世代につなげる。若い指導者。指導者つくりの指導者。
 制約から開放へ。


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◆感想等

・阿久澤 参考になった。川崎のことを知らなかったのが勉強になった。
・西川  新しい川崎市民なので参加した。崖線、川崎に素晴らしいものが残っているのに関心。
     ぜひ、残したい。
・渡辺博 最後は休んでしまい申し訳ない。まとめる時間が少ないのでは。
・小海  国土交通省、扇大臣、地下マンションを買うのはバカ。地区条例。
・こういう講義に慣れていないのでカルチャーショックだった。川崎を知りたくて。
 自然が残っていることにびっくり。反面、最後に歩いた末永、開発される姿にびっくり。
・田淵 歩くのが好きだが、川崎を歩くことがなくて良かった。
    地域のことをみんな考えていてことがわかって良かった。
・黒田 向ヶ丘遊園の外側を回っただけ。地図だけで見た結果。
    従来のボランティアは、バラ苑だけでなく、その他もあるのに、、、どうなる?
・佐藤徹 多摩川エコミュージアム、npo、水と緑と歴史
・佐藤 岡上のこと教えて
・須崎 いろいろ良く分かった みんな夢を持っている。
    昔は良かった、、プランを持てなかった、、なんかやれるかなと思えるようになった
    緑に対してこころよさが大切、、人材を育てることが課題、、学校をつくられてはどうか
・・・・心優しい受講生、、行政に対して、お金をかからない発想
    それで良いのかなーー 企業の中での習性が残っているのかな
・・・・外歩きをさぼった劣等生。良い勉強になった。緑に対しての認識が新たになった。
    狭い範囲の自然保護から、
・二見 緑地保全って、どういうことをやるのかな。社会の一員として、取り組んでいきたい。
・斎藤 講座の目的がはっきりしてきた。身近な問題に結びついてきたのが増えてきて良い。
・石森 緑を残していくことに対して、実際的な感じが持てた。
・五十嵐 同じ感性の人たちと話し合うことが心地よい。
     反対がないのが刺激ないのは良くないかな。
・遠藤 見学は、、、、 平地  神社 寺  市民の手で回廊を作っていく
    自分の   鎮守の森
・竹井 中原だと緑の創出しか残されていない。屋上緑化、花壇つくり。
・本田 岡上に初めていきました。楽しかった。
    初めて平面図を見て、谷戸を埋めるプランは賛成できない。<産廃があるので、、>
・・・外歩きは良かった。まとめは、貢献できなく申し訳なかった。
・笠松 崖線、、、万福寺、、緑がなくなってしまった。
    猿、住宅地に逃げて大騒ぎになっている。
    気候が変わるのではないか?涼しい風がなくなる。
    提言、、、政策に活かしたい、、、行政は受け止めて欲しい。
・山本 川崎学3は初めて。崖線の学問があるのも初めて。坂があって不便とは
    感じていないのでは? 宮前でも、野川台も開発、崖も住宅地に。
    10年前までは十分、緑が残っていた。開発も現在も進行中。
    個人が持っているので難しい。屋上緑化しかないかな。
    ベランダにも大きな木を植えるようにすれば、緑化が期待できる。
・後藤 40年間、子育てと仕事。市民アカデミーを去年知って、
    聞き流しでなんい学習をしていてビックリ、カルチャーショック。
    今まで仕事以外に目が入らなかった、、、外は皆勤ですが、屋内は休んでしまった。
・鎌谷 地球を守る、自然保護という言葉は大嫌い。人間は地球から追放されると考えている。
    みなさんの話しを聞いて、また、希望が持てた。
    岡上、自然に親しんでほしい。日本の農業を知ってほしい。
・林 谷戸、産廃があるので客土を考えた。ねちっこくやっていきたい。


白井さん
・いろいろな緑地が残っている川崎でも濃い緑が残っているのが分かるのではないかと。
 みなさん、よく歩いているので刺激も受けた。勉強になった。
・みなさんの個性がでている。講義の内容を活用している人、これからの
 緑地保全を考えている人もいて、良かった。図表もあり良かった。
・まとめる時間が少ない感じもあった。
・調査をする前に、テーマ、グループを決めるのも良いのでは。効率、目的意識。
・川崎、稲城、多摩、日野、、歩いている。
 川崎の市民が何をどう考えているかが分かった。今後、他地域へも紹介したい。
・ここは、チョウを呼びたい、、、池を作りたい、、、、
 その時、うまくなくとも図、絵に描くと良い。
・地面、大地のうねり、、、崖線の感覚、地形がどうなっているのか、、考えると
 地形を活かした保全にもつながる。自分たちが住んでいる場所を歩いてみることが大切。
・緑、水辺に、子供を連れて行くこと。自然に触れさせる、記憶が残るのは10才まで。
 その後、、大人になっても記憶に残る。生きものの感覚、緑の感覚、、、
・緑の原風景、4才から20才まで宮前区に住んでいて、川崎の方が詳しい。
 秘密基地、、生田緑地まで歩いていくとか、、、それが今につながっている
・緑を残す。お金との兼ね合い。鎮守の森を減らして保全していく話しがある。
 税制、崖の防災の観点でもお金が必要。税制の改革、優遇措置。
・どんな緑を残していくか、緑の質、、、将来プランが必要。
 5〜10年後を見越して、保全を考えていく必要がある。
・緑の質の問題が、生態系にとって、どのような影響を持つかを考える必要あり。
・理論より、提案と実践。これからもがんばって欲しい。
・持ち場を持っていない人は、自然に親しむ場所に触れてはいかが。

・たま−ゆめネットにも、よろしくご参加ください。
・緑を残す活動を発展させてほしい。

以上、文責:竹井。


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