日時 2002年12月14日(土) 9:30〜11:00 その後の2002年振り返り
場所 井田病院1号館・2F大講堂
講師 牧内薫氏(森林インストラクター、中原区市民健康の森を育てる会)
牧内薫氏 聴講風景
1.下刈り
・今回(11月16日)植えたクヌギ・コナラ林の下刈りは、急傾斜地(30°以上)につき、
当初は年2回を予定し、状況の推移を観察しながら手入れを進める。
・植えた木の直径は1cm以下で、他の植生と混同し易いので、作業には最新の注意
を払う。
2.周辺木の処置
・植林地に隣接した南・西面の立木が、植えた木に覆いかぶさり、植栽木の成長障害
になる。
・光量不足による枯死を予防するため、周辺木の高刈りや枝落としを来春までに実施
する。
3.手入れの方針
・急傾斜地は防災型を、上端の平坦地は公園型の手入れを進めるべく、あらかじめ
会員の意志統一を図った上で進める。
・公園は、冬は明るい方が良いので、どんぐりの森でもマテバシイは不適。
4.手入れの一覧
(注)平成12年7月の健康の森推進計画では、コナラの森、クワガタの森、どんぐり
広場と地区別を決めたが、単一樹種でなく、それを主とした雑木林と考える。
なお、シンボリツリーにブナ科の樹種は不適と思う(樹高が20mぐらい)。
また、どんぐりの木でも常緑では、公園として明るさがなくなる。
<< 以上、レジメより。 以下、講演から。 >>
・鎌倉と、井田山と違う。住宅が近くにある点が一番異なる。
・11/16、植樹したクヌギ・コナラ、5〜6月には手入れが必要。
・急傾斜地で、直径がまだ細いので、他の植物と混同しやすいので要注意。
手入れは幹をいじめることにつながり。6〜7年は下刈りが必要。
・日光、水分、栄養が木の成長の3要素。
・皆伐ではなく、坪刈りが良い。保水力を弱めるので。
・手入れの方針。急斜面は防災型、平坦地は公園型。
・マデバシイ、浅根性・直/深根性、斜面地には不適。
・木の大きさを測るには胸高で測る。
・高切りは1〜1.5m。
☆どんな森にしていくか。3要素。
・多様性のある森、地面に適度な太陽を光る。樹種としては豊かな森。
多くの植物や昆虫、小動物が生息する環境。純林は作らない。
・癒される場としたい。芽だち、秋の紅葉、四季の変化、清々しい匂い。景色性。
・防災。
・ホオノキ。カツラ、水脈のあるところでしか元気でない。
・何百年生きて欲しい木と、20〜30年で輪廻していく木を、分けて考えること。
・ホオノキ、頂上広場には向かない。
・頂上広場、木が多すぎる。
・CO2。木が枯れるというのはCO2削減しないこと。
・中川しげとしさん。東丹沢、森林研究所。長期に計画する必要性あり。
・分かり合うこと、感情的にならないで、みんな納得の上で。
<< 質疑応答から >>
・トンボ。ギンヤンマ、シオカラトンボ。
Q:11/16植樹後の手入れは?
今まで、井田山は、斜面崩壊はなかったが、流土は多い。
A:植樹後は、少人数で土留めが必要。防災がキーワード。
今は密植だが、当面はそのまま育てて、時期が来たら間伐。
Q:浅根性樹種は、どこにも残さないになっているが?
A:上部の平地では、限られる面積であり、人が集まるところでは沢山は無理。
斜面地下部等の、他の平坦地に植えるところはある。
Q:京都の東山は?
A:昭和10年代以降、山の手入れをしなくなって、広葉樹が多くなった。松が無くなった。
Q:生物の多様性を保全する方法は?
A:鳥、昆虫等を呼ぶ木もあり、それらを考えて残す、植えていく。
Q:西側斜面は?
A:道路から人が良く見る場所でもあり、景観も考慮する必要がある。
人家の有る無しで違う手入れ/樹種がある。カツラなど、似合うと考える。
以上 文責:竹井
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