井田山便り(16)2001年9月16日(日)9:30-11:00 曇り・晴れ

ミーン、ミン、ミン、、、の声は、あまり聞こえなくなってきています。
ニーニーゼミ?、アブラゼミ?、ツクツクボウシ?
なんか渾然一体となって騒がしい状況です。

  この日の午後、以前に紹介したミュージアムパーク茨城県自然博物館に行って
  きました。「人と自然のコミュニティスペース・里山」。うらやましいまわりの環境。
  電車とバスで、、、、遠かった。行くなら車ですね。24日まで。
  http://www.nat.pref.ibaraki.jp/t/k/22/index.html。

  常設展示の中にセミの鳴き声を聞く展示があり聞いてみました。
  井田山には何種類のセミがいるのか、じっくり聞かないと分からないですね。

池のまわりでは、子どもらが何人か遊んでいます。
一所懸命、網をふってトンボを狙っている小学校高学年らしい女の子。

ベンチに、ピンクの靴下が片方、干してありました。
どうやら、片足を水につっこんだ模様。それにもめげず、がんばっています。

「イトトンボはまだ少ないから、はなそうね。」とか話していたら、
「ここは、自然保護区だから、トンボを網で採っても、放すんだよね。」
と言うではありませんか。自然保護区とはなかなか良い言葉ですね。

  ちなみに昆虫豆博士によると、アジアイトトンボがいるそうです。
  ほんと、どこから来るのでしょうね?

今、トンボたちが盛んに産卵活動をしているようです。
尾っぽの先を水面、藻、茎に、つける姿を見ることができます。

少しトンボについて。

・ギンヤンマやハグロトンボなど、多くの種のトンボは植物などに止まり、
  ♀の腹部第9節にある産卵管で植物の組織内などに産卵。

 産卵管は注射針のようになっていて、差し込む毎に一つずつ卵が産み
 込まれる。

 産卵中に鳥や蛙などに襲われる危険度が高い反面、産まれた卵は適度な
 湿度、温度の中で外敵から守られる点では有利。

・シオカラトンボやアキアカネは飛びながら♀の腹端で水面を叩いて産卵。
 この時、腹部第8節にある生殖弁が開いて、卵がパラパラと出る。

 卵は水中に沈んでゆき、途中の植物に留まるか、または大部分は水底に
 到達。その結果、水中の動物に捕食され、生存率は低いが、産卵中の♀は
 飛んで逃げることができるので、危険を回避できる。

・トンボ目の進化の歴史のなかで、産卵管による産卵から生殖弁による
 産卵へという一つの方向が認められる。

・卵期(日):卵を産んでから、ヤゴになる(孵化)までの日数。
      (卵から成虫のトンボになるまでの日数ではありません)

   ウスバキトンボ  5日
   シオカラトンボ  7日
   ギンヤンマ    12日
   ムカシトンボ   30日
   オニヤンマ    35日
   アキアカネ   127日
   アオイトトンボ 230日 

 アカネ属の種は、秋に産卵し、冬、いったん水温が下がり、春に水温が
 上がると急に、孵化する(ヤゴ)になる。

シオカラは1週間で孵化するのですね。
今、ヤゴの赤ちゃんがたくさん、誕生しているのでしょう。

7月に産んだ卵はヤゴを経て、成虫になっているようです。
あちこちに、ヤゴの脱け殻を見ることができます。


水生植物では、オモダカの丸っこい白色の花(もうお終い)や、
ムラサキ色のコナギの花を、見ることが出来ました。

 池の斜面部には、地味なハキダメキクと、白い小さい花のタネツケバナの姿も。

そうこうしていると、阿久澤充さんと渡辺さんの姿。
台風で、マンションの方に木の枝が倒れたので、始末してきたとのことです。
ご苦労さまです。

頂上に行ってみると、クヌギやコナラの青いドングリがたくさん落ちています。

何本か、木の枝も折れて倒れていました。


阿久澤さんは、作業の前に、ウサギを相手に、1時間半の大捕り物をしたそうです。
誰かが飼っていたペットのウサギを放した/捨てたらしいのです。
子どもが飼いたいという引き取り手が現れたので、捕獲することにしたのでした。
それにしても、ウサギがかわいそう。ちなみに、ホーランド・ロップという種類の
ようです。http://www.usahiro.net/rabbit/の右上。

曼珠沙華が咲いていました。華やかです。お彼岸ですね。
             

ヤブラン、ツユクサ等は最近の定番。
蝶の草原では、猫じゃらし・エノクログサ、チヂミザサなどが目立ちます。

  エノクログサ



久しぶりにツバメシジミをみかけました。
まだ新しい羽の、ヒョウモンチョウ類も一匹。飛んでいて種類は確認できず。
その他は、コミスジ、ヤマトシジミ、モンキチョウ、クロアゲハ。
段々、タテハ類の秋に見かける蝶が増えてくる頃です。

さて、長くなってきたので、このへんで。

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