ギアナ紀行 地獄の特訓体験記編 Guiana travelogue - Hellish crush training experience

 昔バブルのころ企業研修で地獄の特訓というのが流行った事があった。 当時その特訓のなかでも高額な研修ではキリマンジャロを走破するというようなものもあったと思う。 今回のアウヤンテプイのコースはそんな地獄の特訓にもってこいだと思った。 第一段階は酷暑の中グランサバナと丘陵地帯を黙々と歩く、第二段階は雲霧林など木の根などで滑りやすいジャングルを登る、第三段階では急な岩山をよじ登る。その過程で助け合い、リスクを如何に回避するかと言うような事が学べるはずだが、でもギアナはちょっと遠過ぎるようだ。登っている途中ではカメラは持っていないので 結果としてここでの写真はキャンプに着いた時に撮った花の写真などが多くなり 地獄の特訓を描写するようなものは殆ど何もない。 しかし険しい山を登るのに喜びを感じる人は別にして 自分にはこの歳で地獄の特訓を体験できたと言う感慨に浸ることができた。尚 花の名前などはまったく分からないので生物学の専門家でもあるO君がいずれAmazonでアウヤンテプイの植物等の本を買ってもらって分かったものがあれば名前を入れていきたいと思う。

戻る

A view of savanna 丘陵地地からグランサバナを望む
Galaxy S 2011:12:27 00:26

翌朝ガイドのS氏が戻ってきて、ヘリコプターは一週間前からの予約が必要であり無理だということが分かった。こうなるとアウヤンテプイに再アタックするよりしょうがないということになった。遅くとも31日のお昼のカナイマ行きのセスナに乗らなければならないのでアウヤンテプイの頂上まで行くのは無理だろうが 行ける所まで行こうと言う事になった。ただ荷物は必要最小限にして一眼レフカメラは自分では持たないことになった。
便秘気味だったのだが武田の漢方が利いたのか便意を催しこの辺りで野糞を初体験した。鉈みたいなもので掘ってやるのだが 以後野糞の達人となる。
A top of the first wall 第一の壁頂上で一休み(ガイドのS氏)
Galaxy S 2011:12:27 02:43

ようやく第一の壁を突破した。 ガイドのS氏はたぶんぺモン族の出身だと思うが、ポーターをしながら英語を覚えたと言う。 我々と遜色ない英語をしゃべるが ポーターからガイドになったのだから大変な努力家のようだ。 現在28歳でアウヤンテプイには48回登ったと言うから相当若いときから経験をつんでいるのだろう。そう言えばEお母さんの下の息子さん(たぶん14,5才)もすでにアウヤンテプイに登ったと言っていた。
第一の壁頂上から今まで歩いて来たグランサバナを望む
Galaxy S 2011:12:27 02:49

ここからしばらく行った所に今日のキャンプ地のグアヤラカ(Guayaraca)がある。
on the way to Camp Guayaraca  山登りの途中で見かけたラン
CX5 2011:12:27 03:16

キャンプ グアヤラカに行く途中で見かけたランの一種。

写真はO君提供
  キャンプ グアヤラカ(Guayaraca)
EOS 5D 2011:12:27 05:19

ようやくキャンプ グアヤラカに着いた。ポーターからカメラを受け取り撮影開始。
キャンプ グアヤラカ Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ(Guayaraca)の小屋
EOS 5D 2011:12:27 06:43

小屋にはハンモックが掛けられるようになっている。 我々は外のテントを利用したが夜雨が降ってきたので小屋の中に避難した。 このテントはExplora Treks のヘンリー ゴンザレスのチームがここに置いていったものらしい。 彼らはロッククライマーの顧客を連れて頂上大地をエンジェルフォールまで縦走し、滝口からザイルで2日がかりで下まで降りると言う。 途中ロープにぶら下がったまま一泊するらしいがどんな寝ごごちなのか想像もつかない。
キャンプ グアヤラカ Camp Guayaraca  キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 05:00
 キャンプ グアヤラカ Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
 EOS 5D 2011:12:27 05:05
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 05:08

梅のようなつぼみの花を見つけた。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 05:09

これは椿のような花でクルシアと言われているアウヤンテプイで良く見られるものらしい。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 05:11

どこかの植物園で見たような気がする。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 05:17

ブルーベリーのような実
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:36

ゴマクサに似ているが。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:37

いかにも南米の花という風。ギアナ高地には一般的なキク科、マメ科、イネ科の植物とは違う原始的なパイナップル科の植物が多く生き延びていると言う。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:41
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:44
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:44
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:45
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:45

ノボタンの仲間だろうか、可憐な花である。
Camp Guayaraca  キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:47 

黄色の花が咲くこの木(もしくは花はパイナップル科の寄生植物かもしれない)は この辺りではよく見かけられる。
Camp Guayaraca  キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:47

寄生しているようにも見える。 
 
 At Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:37

朝露に濡れたくもの巣が多くあったので 以下くもの巣シリーズ。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:46

朝露に濡れたくもの巣 その2。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:48:

朝露に濡れたくもの巣 その3。
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:48

朝露に濡れたくもの巣 その4
Camp Guayaraca キャンプ グアヤラカ周辺にて
EOS 5D 2011:12:27 20:49

朝露に濡れたくもの巣 その5
on the way to El Danto  モウセンゴケ
PX  2011:12:27 23:08

雲霧林に向かう途中で見つけたモウセンゴケ。 食虫植物で、ギアナ高地のそれは他の地域のものと違い古くなると茎が立ち上がって株立ちすると言う。

写真はO君提供
 The monument of Simon Bolivar 雲霧林に入る手前の草原にあったシモン ボリバルの碑
Galaxy S  2011:12:27 23:43

この辺りでシモン ボリバルが兵を集結させと言う。これから雲霧林と言われる地面が苔や木の根など滑りやすく湿度の高い蒸し風呂のようなジャングルの急斜面を登ることになる。
Camp El Danto キャンプ エル ダント周辺にて
EOS 5D 2011:12:28 04:47

ようやく雲霧林を登り2日目のテント地 エル ダントに着く。 健脚であれば エル ダントを飛ばして直接 エル ペニョンに行くクライマーもいるそうだ。 当初のスケジュールでは我々もここには泊まらない予定であったが、登頂は時間的に無理なのでゆっくり行く事になった。この辺りから植物も地衣類のようなものが多くなってくる。
Camp El Danto キャンプ エル ダント周辺にて
EOS 5D 2011:12:28 05:35

珊瑚のような植物。
Camp El Danto キャンプ エル ダント周辺にて
EOS 5D 2011:12:28 05:36

キキョウのような花。
アウヤンテプイ A view from Camp El Danto キャンプ エル ダントよりアウヤンテプイ頂上リベンタドール方面を望む
EOS 5D 2011:12:28 07:15

右側の斜めに傾斜しているところが頂上への唯一の登頂ルートであるが 明日はそのすぐ下にあるキャンプ エル ペニョンを目指す。
Camp El Danto キャンプ エル ダント
EOS 5D 2011:12:28 19:39

今日は野天にテントを張ることになった。最初大きな岩の下にテントを張る予定であったが、O君がダニの襲撃に会い撤退する。
  キャンプ エル ダント
EOS 5D 2011:12:28 19:50

キャンプ エル ダントよりアウヤンテプイの頂上クリフを望む。
 
on the way to Camp El Penon  ランの一種?
PX 2011:12:28 22:48

キャンプ エル ペニョンに行く途中見かけた植物。

写真はO君提供
 on the way to Camp El Penon
疲労困憊
PX 2011:12:28 23:22

キャンプ エル ペニョンに行く岩登りの途中で一休み。 地獄の特訓を描写するような唯一のショット。

写真はO君提供。 
Camp El Penon キャンプ エル ペニョンにて ポーターのM氏
EOS 5D 2011:12:29 00:56

キャンプ エル ダントを早朝出発し 急な岩山を登ってようやくエル ペニョンに到着した。実際ロープを張ってあってもおかしくない様な所が多々あった。 早朝から登って来たせいか お昼ごろに到着することが出来た。
Camp El Penon エル ペニョン より眼下を飛ぶセスナを望む
EOS 5D 2011:12:29 01:03

ウルジェン村に行くのであろうか?
Camp El Penon エル ペニョンの岩山の頂上の奇妙な岩
EOS 5D 2011:12:29 01:06

Camp El Penon  エル ペニョン より
EOS 5D 2011:12:29 02:42

厚い雲が流れている、ギアナ高地の雲を見ていると飽きない、どんどんその表情を変える。 
キャンプ エル ペニョン Camp El Penon エル ペニョンの岩山
EOS 5D 2011:12:29 04:01

洞窟と言うよりは大きな岩が広い空間を作っている。 シュラフが20体ぐらい収容できる。 この場所はとても有名でアウヤンテプイに登頂する最後のキャンプ地でもある。
Camp El Penon 魚眼レンズでデフォルメすると
EOS 5D 2011:12:29 04:02

20億年前にできた岩であるが 何かの拍子に動かないか心配である。
Camp El Penon  エル ペニョンの岩山
EOS 5D 2011:12:29 04:00

つっかえ棒のように見えるのはハンモック等に使うつり棒である。
Camp El Penon ジミーエンジェルの落書き?
EOS 5D 2011:12:29 00:43

本物のジミー エンジェル(エンジェルフォール発見者)が書いたとは思えないのだが、彼ら一行がアウヤンテプイの頂上大地に不時着して11日間程さまよってここの上にある岩の裂け目から降りることが出来るルートを発見し この岩山までたどり着いた時は 確かに歓喜に打ち震えて 自分の名を記したくなったかもしれない。 1937年のことである。
Camp El Penon 世界遺産に落書き?
EOS 5D 2011:12:29 06:34

この岩山にはここまで登って来た人達が多数 焚き火の燃えカスの墨で名前を記している。我々も真似をして 2011 Dec 28 の下に目立つように日本語で書いてみた。探した限り日本語での名前は他になかった。
Camp El Penon エル ペニョンより遥か地上を望む
EOS 5D 2011:12:29 04:08
Camp El Penon  エル ペニョンで昼寝
EOS 5D 2011:12:29 04:00

ポーター達は岩山の上でお昼寝。 
Camp El Penon
エル ペニョンにて 長靴の日向干し
EOS 5D 2011:12:29 04:15

我々は登山靴で登ってきたのだが、この山を登る場合は登山靴が最適かと言うとそうでもない。 実際 川があったり、すべる根っこや苔むした岩などがあったりと 多様なルートなのでゴムの長靴やウォーターサンダルのようなものの方が良いのかなとも思う。
Camp El Penon  エル ペニョンにて
EOS 5D 2011:12:29 04:19

雲を見ていると どんどんその形が変わっていく。
 
Camp El Penon エル ペニョンにて
EOS 5D 2011:12:29 04:41

あっという間に雨雲となり 地上の一部ではスコールになっているようだ。
 Camp El Penon エル ペニョンにて
EOS 5D  2011:12:29 01:06

思ったより早く着いたのでO君とガイドは頂上口下まで行ってみる事になった。 自分は写真を撮りに出かける。雲の下の2つの白い点は彼らが手を振っているのである。
  青い葉の植物
CX5 2011:12:29 02:05

頂上口下に行く途中ガイドのS氏が教えてくれたそうだ。

写真はO君提供 
Camp El Penon  エル ペニョンにて
EOS 5D 2011:12:29 02:40

O君が地元の人に聞いた話では 遠くに見える白煙は狼煙(のろし)で お正月を祝うためにイノシシ等を捕獲したことを村々の人に知らせるのだという。
Camp El Penon エル ペニョンにて ポーターのM氏を囲んで
EOS 5D 2011:12:29 05:09

日向ぼっこしていると頂上の方からポーター達が数人降りてきた。 なんとヘンリー ゴンザレスと一緒にポーターとして行った人達だ。 みんな年齢が若く右端の子は14,5歳と思われる。 今日キャンプ ドラゴンでヘンリー達と別れ(ヘンリー等はエンジェルフォールからザイルで降りる)一気にここまで下山して来たという。
Camp El Penon エル ペニョンにて ガイドのS氏とポーターM氏の甥
EOS 5D 2011:12:29 05:25

一人のポーターが我々のポーターM氏に似ているなと思っていたら なんとM氏の甥であった。 M氏も苦みばしったいい男だがこの甥はそれ以上にハンサムである。これからキャンプ グアヤラカまで一気に行くという。恐るべき健脚。
Camp El Penon エル ペニョンよりアウヤンテプイの登頂ルートを望む
EOS 5D 2011:12:29 05:29

頂上口はここから直ぐの所に見えるが、頂上にあるキャンプ リベンタドールまではここから半日以上は掛かるそうだ。
Camp El Penon エル ペニョンより山頂口を望む
EOS 5D 2011:12:29 20:03:

あと2日余裕があれば登頂も出来たと思うが山行きは無理な計画は禁物だ。 せっかく両神山で鎖場の練習をしてきたが生かせなかったのは残念だが明日下山することにする。
  スープスパゲッテイ
EOS 5D 2011:12:29 07:01

登山中 唯一美味しいと思った食事。短いスパゲッテイにコンソメで味付けした簡単なもの。 帰国してから作ってみたが、チキン(手羽中)などを入れればなお良い。 ユカイモで作ったカッサべ(パンのようなペモン族の主食)も貰って食べたが あまり美味しいものではなかった。
Camp El Penon  エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:28 05:57:
 Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:28 19:59:
Camp El Penon  エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 05:58
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:25:
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:26

ピンクがとてもきれいな花のつぼみ。
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:29
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:30
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:35
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:37

地衣類、菌類と藻類の共生態である。
Camp El Penon エル ペニョン周辺にて
EOS 5D 2011:12:29 02:49:
ヘリアンフォラ
下山途中の雲霧林地帯にて
Galaxy S 2011:12:29 23:24

雲霧林で大きな角笛みたいな植物(ヘリアンフォラ)があったのでガイドのS氏に吹く真似をしてもらった。
実はこの雲霧林に来る前に急な岩の崖を何とか降りてきて見晴らしのよい場所に出た途端 気が緩んだのか岩で滑ってしまい 以前痛めたところのそばの膝を捻挫してしまった。痛みが強くなる前に急いで下山しようとしたが 案の定この雲霧林を降りて草原地帯に出たころではビッコを引くようになり、この日のテント泊のグアヤラカにたどり着いた時はストックがなければ立ち上がれないほど悪化していた。
Caterpillar?  毛虫?
PX 2011:12:29 22:45

なんとも気持ち悪い虫の幼虫。成虫になったらどんな格好なんだろう?

写真はO君提供。
From the view at the first wall キャンプ グアヤラカを出発
Galaxy S 2011:12:30 21:37

僕の足の捻挫を心配して早朝に出発することになった。リュックはガイドのS氏に持ってもらうことにした。O君からストックを一本借りダブルストックでこれから下山することにする。
Savanna
ウルジャン村に続くグランサバナを望むガイドのS氏
Galaxy S 2011:12:30 22:21

常々ガイドやポーター達が休息を取るのが一時間以上たたなければ取らないのに不満だったが(自分は30分に5分くらいの休息の方が良いのだが)、彼らにとっては どうやら重い荷物を持ているのでたびたび休むのは疲れるのと 予め休む場所が眺めの良い所に大体決まっていて そこで15分くらいは皆景色を楽しむようだ。家族のことや彼女のこと想っているのか ジーと飽きずに景色を眺めている。

皆のおかげで この分だと何とかお昼頃までには また 忘れられた地上の楽園ウルジェン村 に戻れそうだ。



To be continued..

戻る