Bernie and Art Production, since1969
Takanano Factory Jun Takana
Tsukushino, Machida, Tokyo





08/24 2026 更新 >> past articles 以前の記事


仕事の本

中野京子著『名画の中で働く
人々 「仕事」で学ぶ西洋史』

(集英社・2022年)



闘牛士から天使まで、
20の「職業」を通して、絵画に
塗り込められた当時の人々の心
に少しでも触れようとする試み
だ。(「はじめに」より)

《道化》の章より少しばかり ↓

ローマ帝国やルネサンス期のヨ
ーロッパでは、「道化」と「愚
者」と「精神や肉体を病んだ者
」は同じ呼び方(フール=Fool)
だった。つまりペットのように
飼われていた小人症の奴隷など
も含まれる。そうした人たちが
生み出す笑いは、現代の我々が
考える笑いとはそうとうに違っ
ていたのではないか。
やがて絶対王政時代になると、
前代をそのまま引きずったフー
ルの他に、道化たちの集団活動
も生じる。宮廷道化とお笑い専
門劇団への二分化だ。後者はさ
らに、特定の劇場を持って定住
するグループと、旅回り一座に
分かれてゆく。

●●●
16世紀ポーランドに実在した道
化・スタンチク。彼は学者を驚
かすほどの知性と見識をもち、
三代の王に仕え、その発言は時
に国政に影響を与え、真の意味
で国を憂えた政治思想家ともい
うべき存在だったという。



『スタンチク』ヤン・マテイコ
1862年 ワルシャワ国立美術館

背後のカーテンの向こうはシャンデリア
が輝き、舞踏会が行われている。スタン
チクはざわめきから離れ、この部屋へ入
って報告書を読んだのだ。

そこには国境のスモレンスク要塞がロシ
ア軍に撃破されたことが記されていた。
当時のポーランド王国は黄金期だったが
、スタンチクの眼にはすでに陽の陰りが
見えていたに違いない。

●●●



『青の宵』エドワード・ホッパー
1914年 ホイットニー美術館

背後のカーテンの向こうはシャンデリア
店内で酒を飲む客の階層はさまざまだ。
右端の男女はタキシードにイブニング・
ドレス姿。左端に一人で座っている男は
労働者階級のようだ。腰に手をあてて立
っている女は、そのけばけばしい化粧か
ら娼婦の可能性が高い。中央のテーブル
で背中を見せている男は肩章から軍人と
わかるが、隣のベレー帽をかぶった赤髭
は芸術家でもあろうか。もちろんこの絵
のインパクトの源はピエロだ。

彼は明らかに場違いなので、右の男女も
赤髭も露な視線を向けずにおれない。本
来ピエロはこの化粧と衣装のまま、己の
素の姿をさらすべきではないのだ。それ
は掟破りだ。なのに宵のピエロはいっさ
い斟酌せず、不機嫌そうな顔で煙草をく
わえている。

●●●
こんなジョークがある。

「精神分析医のところに、暗い
顔つきの貧相な男がやってきて
、眠れない、死にたい、薬がほ
しいと言う。医者は励ますよう
にこう言った。今ちょうど町に
来ているサーカスのピエロを見
に行ってはそうですか、あの陽
気なピエロを見れば、どんな鬱
も吹っ飛んで気が晴れますよ。
男は答えた、そのピエロが私で
す。」(本書より)


t o d a y s h a i k u
道化師の眼のなかの
眼が瞬ける(渡辺白泉)



【 08/23. 2026 】

仕事の本

ニコラ・メラ 著、寺井杏里 訳
『 歴史のなかの奇妙な仕事 』
(原書房, 2025年12月刊)
を読む。図版のないテキストだ
けの本だがなかなか面白かった



原題:Les metiers les plus insolites de
l’histoire, 2024。著者 Nicolas Mera は、
作家、サイエンスライター

●●●
吸血鬼ハンター、錬金術師、
恐怖の女神、目覚まし屋、
サイコロ飲み… 。
古代ローマから近代までの今
はなき危険で珍奇な仕事の数
々を紹介。生と死、職業と人
類の進化、当時の社会背景が
仕事から浮かび上がる。
(カバー帯文)


なかから
5つの仕事を要約して ↓↓↓

《 サイコロ飲み 》
  AVALEUR DE DES

18世紀のイギリスで急増した
違法な賭博場で、当局の摘発
を受けた場合、サイコロを飲
み込んで証拠を隠滅すること
を専門にしていた奇妙な仕事。
だが、短命だったこの職業が
記録に残っているのは18世紀
のイギリスのみだ。

《 コーヒー嗅ぎ 》
  RENIFLEUR DE CAFE

18世紀後半のプロイセン国王
フリードリヒ2世は、コーヒ
ー商人たちが富を築いている
ことに憤慨し、コーヒーの焙
煎を王室の独占事業にした。
そして、コーヒー豆の密輸や
闇取引摘発のため、傷痍軍を
再雇用して、「コーヒー嗅ぎ
」として働かせた。摘発に至
った場合、彼らは罰金の25%
を受け取ることができた。

《 罪食い 》
  MANGEUR DE PECHES

18〜19世紀のイギリスで、埋
葬前夜に行われていた奇妙な
儀式において、遺体の上に置
かれた(葬送用の)ケーキを
弔問客の前で食べる「罪喰い
」と呼ばれていた仕事。食べ
終わり、報酬が渡されると罵
声とともに家から追い出され
る。これにより、故人が来世
へ旅立つ前に、生前の罪が浄
化されると信じられていた。

《 司祭ハンター 》
  CHASSEUR DE PRETRES

プロテスタントの教義を採用
した国王ヘンリー八世は、15
34年にイギリスに英国国教会
を成立させ、カトリックに対
する迫害を強化させた。
神学校を閉鎖し、カトリック
教会の出版物やロザリオ、聖
像の売買を禁じた。さらに、
民兵組織を創設し、逃亡する
修道士を冷酷に追跡させた。
秘密のミサを包囲したり、拷
問を行ったりした。18世紀初
頭まで、特にアイルランドで
容赦ない狩りが行われ、多く
のカトリック司祭が反逆罪で
処刑された。

《 ラジウムガール 》
  RADIUM GIRL

1917年、米国ラジウム社の工
場では、4000人以上の女性工
員が軍用時計の文字盤にラジ
ウム塗料を塗っていた。
帰宅時の暗闇の中で、体に付
着した放射性物質が発光する
ため、彼女たちは「幽霊」と
呼ばれていた。こっそり爪に
塗る者もいたという。
が、数カ月後ラジウムで蝕ま
れた体は、癌、貧血、不妊、
顎の壊死、背骨の変形などの
症状を呈し始めた。 1922年、
24歳のアメリアが最初に亡く
なり、翌年には 10人が死亡、
50人が病に倒れた。

t o d a y s h a i k u
晩夏光刃物そこらにある
怖れ(大野林火)



【 08/22. 2026 】

近所の図書館の、
夏の企画『厚い本』コーナー
に置いてあった本

厚さ 35ミリ、重さ580グラム
あった!(もっと分厚い本も
あったが暑いので)持ち帰れ
る限界が この本  ↓↓↓




丸谷才一/池澤夏樹・編
『分厚い本と熱い本 毎日新聞「今週
の本棚」20年名作選(2005〜2011)』

(毎日新聞社、2012年11月刊)


和田誠のイラストが載って
いる「この人・この3冊」
から3つばかり
 ↓↓↓
関川夏央選 2007/01/28
幸田文

◆『父・こんなこと』(新潮文庫)
◆『流れる』(新潮文庫)
◆『おとうと』(新潮文庫)



1947年 7月、幸田文は、父露伴を市川市
郊外の借家で看取った。死の床の露伴は
、片手を文の手にかけ、「おまえはいい
かい」といったいった。「はい、よろし
ゅうございます」と文がこたえると、露
伴はうなづいて、「じゃあおれはもう死
んじゃうよ」といった。(関川夏央)


上野千鶴子選 2010/01/17
姜尚中

◆『オリエンタリズムの彼方へ』
 (岩波現代文庫)
◆『ナショナリズムの克服』
 (集英社新書)
◆『悩む力』(集英社新書)



いまもっとも有名な東大教授、「東大の
ヨンさま」こと姜尚中さん。生え抜きで
もなく、国籍もないマイノリティの学者
を「売り」にする天下の東大のマーケテ
ィング戦略に、他大学も見習った方がよ
い。コロンビア大学の英文学部が、パレ
スティナの学者、サイードによって活性
化したのと似ている。(上野千鶴子)


清水義範選 2006/07/16
西原理恵子

◆『まあじゃんほうろうき』
 上下(竹書房文庫)
◆『ぼくんち』全3巻(小学館)
◆『上京ものがたり』(小学館)



西原理恵子の魅力は、永遠にガキのまま
でいるところにある。子供時の純粋さを
失わない、なんて美しいことを言っては
いけない。そういう嘘っぽい麗しさの対
極に彼女はいるのだ。(清水義範)

t o d a y s h a i k u
図書館のしづけさ
蒼き熱帯(杓谷多見夫)



【 08/21. 2026 】

北京を拠点に活動する中国人ア
ーティスト、チェン・フェイ(
陳飛)の個展「Sometimes」

のぞく@ペロタン東京・六本木
(〜8/29)

能書きについては、
ギャラリー
のサイト
に詳しいのでどうぞ…

●●●
なかでも、雪だるまをモチーフ
にしたすこし哀しい作品が ★★



  




  





◎きょうのおまけ:



t o d a y s h a i k u
雪だるま生みの親みる
目をもらふ(千田百里)



【 08/20. 2026 】

『束芋画 国宝』展
@銀座・POLA MUSEUM

をのぞく(〜8/30)

2017- 2018年に、朝日新聞に
て連載された、吉田修一氏に
よる小説『国宝』のために現
代美術作家・束芋(たばいも
)が描いた全ての挿絵の原画
を展示したもの ↓↓↓↓↓





会場入口にある
新聞切り抜きの束(束芋だけに)


この絵からスタート ↓↓↓



巻き物のように延々と続く…











最終回の絵 ↓↓↓



小説を読んだことも映画を観たこ
ともない私には退屈でありました
(感想)




入口正面壁にあった
イメージスケッチ?(部分)

絡み合うようなストロークは
観ていて飽きない、これ一番!

参考まで:
国宝(小説):Wikipedia
『国宝』公式サイト:
  朝日新聞出版 2025/9/5

俳句系 Vtuber が観た『国宝』

t o d a y s h a i k u
枯枝を藤と見立てて舞ふ川辺
(きつネつき・俳句系Vtuber)



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