井田山便り(2001.5〜8)     

井田山便り(1)2001年5月13日(日)
さわやかな季節です。井田山も新緑の頃です。

 今日(5/13)の午前中、井田山を一歩きしてきました。
 入り口近くの掲示板、着いた時には何も貼ってありませんでしたが、
 帰る時に見ると、フリーマーケットのチラシが貼ってありました。
 橋本さんでしょうね。ご苦労様です。

   5月26日(土)9:00〜1100 だそうです。


 さて、エゴノキが咲き始めました。地面にも花が落ちています。
 ノイバラ?の白い花も。

 ハハコグサ(たぶん)、タチイヌノフグリも、咲き始めました。
 ヤブヘビイチゴの赤い実も見ることが出来ました。

 ハナダイコン(ショカッサイ)、シャガも、ずーっと咲いています。
 トキワハゼ、ムラサキケマンは、そろそろお終い。

 クズが成長を始めたようです。草原のところで、目についたのは、
 抜きましたが、まだまだたくさんあるようです。

 5月5日(土)に歩いた時は、エビネも咲いていましたが、
 もう散ったようでした。

 ヒトリシズカは白い実をつけています。
 発見は、どうやらフタリシズカも在ること。こちらも白い実をつけていました。

 小川の近くのジメジメしたところに、だれかが小さな水たまりをつくった
 ようです。アメンボが水面を滑っていました。


 蝶の方は、ヤマトシジミ、キタテハ、クロアゲハ(かなー?)、
 ジョノメチョウを見ました。

 ミカンの木。考えてみると、アゲハの仲間の食草なんですね。
 できれば、そのまま残すか、どこかに移すのも良いなーと思うのでした。

 ではでは。


井田山便り(2)2001年5月20日(日)am
エゴノキ、ノイバラは、そろそろお終いです。
 シャガは姿を消しました。その代わりか、ハナショウブ?が咲き始めました。

 スイカズラが咲いています。ミカンの花も。
 平地の土が露出しているところでは、ヒルガオが咲いています。

 シソ、ドクダミが目立ち始めました。
 ドクダミは蕾の状態で、すぐに咲き始めそうです。

 アジサイもそろそろ出番のようです。早いのは咲き始めました。

 ヒトリシズカの白い実は落ち、フタリシズカが最後の白い実を見せています。

 小川上部の近くのジメジメしたところのドクダミの葉の上には、
 キアゲハの幼虫。池が出来たら、セリ類を植えたら、キアゲハがたくさん
 くるでしょうね。

 蝶の方は、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、モンシロチョウ、ジョノメチョウ。
 頂上部では、クロアゲハ、キマダラヒカゲ、フタスジチョウ。
 あと、ダイミョウセセリもいました。
 北海道にはいない蝶なので、初めてです。良かった。

 頂上部で、病院の井田さんにお会いしました。
 南側の斜面でタヌキが出没しているとのことです。

 阿久澤さん(旦那)にもお会いいました。


 さて、今日は、育てる会の第一回会合です。
 これから行かなくては。


井田山便り(3)2001年6月2日(土) 9:00-10:00曇り
前の週は、土曜日は運動会、日曜日は雨だったので、2週間ぶりの
 井田山でした。なんか、急に木々の緑の量が増えた感じです。

 クリの花が花盛り。独特の匂いを漂わせています。
 キマダラヒカゲ(蝶)が蜜を吸っていました。

 その他の蝶は、モンシロチョウ、ベニシジミ、ダイミョウセセリ、
 ジャノメチョウ、アゲハ類。

 ベニシジミは春先より一回り大きくなっていました。
 春一番の成虫が卵を生み、幼虫、蛹を経て、成虫になると言う
 今年最初の一サイクルが回ったのでしょう。食草はギシギシなどの
 ようですから、エサはたっぷりあるのでしょうね。

 目についた花々は、

 入り口近くにタチアオイ、コンフリー。斜面の方はドクダミが盛り。

 長らく咲き続けていたハナダイコン/ショカッサイはようやくお終いの
 模様です。咲いているのは、わずか数本です。

 アジサイは少しずつ色を増しています。

 タンポポ、オニビラコ、ハルジオン、ハハコグサ、タチイヌフグリ、
 ヒルガオ、ユキノシタ、ハコベ類、ムラサキカタバミ、ツユクサ、
 ギシギシ、、、を見かけました。


 平地の奥の方の水溜まり。
 水がきれいで、湧き水が湧いている様子が良く見えました。
 確かに、掘っておいたら、何もしなくとも池になるでしょうね。

   小川からの導水の有無、湧き水ポイントの活かしかた、
   雨による増水時の水の溜め方、、、など、どういう手法を
   とるのでしょうね。

 ********************************
 日曜日に、小杉駅周辺の「こころもバリアフリー・まち点検」を
 行いました。そういえば、井田山入り口の平地に降りる勾配、
 きついなーと思いました。車イスを使って一人で降りられるでしょうか。


井田山便り(4)2001年6月9日(土) 11:00-12:00曇り・晴れ
ひとみ座での年間作業等の打ち合わせの後、井田山に向かいました。

 途中、松本さんとお話し。甲虫のみならず、蝶など昆虫全般に詳しいようです。
 また、昆虫をやっていると植物も知らないといけないということで、百人力。
 渡辺副会長とともに、自然観察会をお願いいたしました。

 さて、井田山の入り口近くは工事が始まっていました。
 雑草も、花も、工事なので仕方ないけど、無残にも、なーんにもなくなって
 いました。グスン。またの復活を祈りつつ、、、、、、です。

 入り口の坂を下りたところの地面があいていて、伏流水?湧き水?地下水の
 盛んなる流れが見えました。以前も地面の下を管で下の方に誘導していたもの
 です。今回は、廃棄物等を除去するとともに、再工事の模様です。

 平地の奥の、湧き水の箇所は今日も健在。
 池で子どもが遊ぶこともあるでしょうから、下水混じりの流れを引き込むより、
 うまくこの湧き水を活かしたいなと思います。


 クリの花は、パラパラ落ち始めているようです。

 見かけた蝶は、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヒメジャノメ、キタテハ。

 花は、先週と同じく、ドクダミが目につきます。
 アジサイ。鮮やかな青の色が、季節を感じさせます。

 ハハコグサ、タチイヌフグリ、ヒルガオ、ユキノシタ、ハコベ類、
 ムラサキカタバミ、ツユクサ、などは、工事のせいもあるのか、姿を消しました。
 来春、お会いいたしましょう。

 最後の最後の、ハナダイコン/ショカッサイは、花半分、残っていました。
 大谷さんと、これが本当の最後と見納めをしました。


 どうしても、人の手が入ると、植物の種類は減っていきます。
 生物の多様性を保ちつつ、訪れる人々に自然の大切さと、一時の安らぎを感じて
 いただくのは難しいものです。


 午後は、以前、準備会で紹介しました、市民アカデミーの「矢上川流域セミナー」の
 受講生を、井田山に案内しました。工事の方々は、なんか沢山、人が来るなーと
 思ったでしょうね。

 と、余計な部分な多い、今回の井田山便りでした。


井田山便り(5)2001年6月16日(土) 9:00-11:00曇り
今日は「蝶の草原」の草刈りです。

 8時40分くらいから、少しずつ集まってきました。
 9時になって、橋本会長からの開始挨拶と、竹井からの簡単な説明の後、
 バスが通る道をぐるっと歩いて、病院の入り口から、頂上部へ移動。

 大谷さんが、柵の扉の鍵を開けてくれていました。
 作業の説明、注意事項説明を再度行い、作業開始。
 基本的には、上からみて階段の左からマンションの境までを草刈り。
 階段の右側は1m程度までを草刈りする。

   注:右手の樹木部は、カシの木の森であり、井田山の中でも
     手を触れないで、出来るだけ自然の植物遷移のまかせよう
     と言うエリアです。それに伴い周囲の草地もできるだけ
     手を触れないで、自然の遷移にまかせようという方針です。
     蔦/蔓類も樹木部の周囲を覆う自然の一要素になります。

 結構、急でもあり、雨上がりでもあり、傾斜部は男性陣が作業し、
 女性陣らは頂上部の草刈りとなりました。


 さぁーと言うことで、散らばって、作業開始。
 病院の井田さんから、「笹ユリがある。」との話しもあり、注意しながら
 作業しました。でも、1、2株は刈られてしまったようです。

   ☆朝日新聞の17日/日曜の一面の、花紹介欄「おりおりの花」は、
     なんと笹ユリ。偶然ながら、そろそろ見頃なんでしょうね。
     今度の週末が楽しみ。

 せっせ、せっせと作業し、10時30分くらいでお終いにしました。
 下の方の葛は夏にまたと言うことになりました。

 また、一番下のマンション寄りのところには、どうやらスズメバチの巣が
 あるようです。要注意です。

   蝶の草原は今まで病院の管理でした。
   足を踏み入れるのも初めてのエリアであり、心配でしたけど
   事故、怪我もなく、よかったです。


 東急CATVの取材もありました。
 残念ながら放映は見逃してしまいましたが、どなたか見た方は??


 さて、井田山の様子はと言うと、工事が着々と進み、住宅の方の流れが
 落ちるところが大きく掘られていました。見てみると、下へ流れる「管」の
 細いこと、細いこと。あれでは、本当に少し雨がふると、水があふれます。
 「民」の部分であるとしても、なんらかの手を打つ必要がありますネ。


 あいかわらず、ドクダミの花が目立ちます。
 平地には、ヒルガオ、タチイヌノフグリ、ツユクサ、カタバミの花々も
 復活。奥の方のアジサイも健在。

 アゲハ、クロヒカゲの姿。
 草刈りをしていると、草の合間から、キチョウが姿をみせました。
 午前中なのと、曇りなので、蝶の姿も少なめでした。

 以上


 おまけ。

 午後は、市民アカデミーの「矢上川流域セミナー」で青山さんと、矢上川を
 歩きました。御存じの通り、3面コンクリート張り。でも、井田山からの
 水は、しっかりと壁面に開いた穴/地中水路から矢上川にそそいでいました。
 なんか、「矢上川が泣いている」ようにも見えました。

 おまけのおまけ。

 夜は、生田緑地にホタル見物。市内の小学校と青少年科学館が行っている
 「こども探検隊」にまぎれこみました。ゲンジボタルがスーッとかなりの
 数、飛んでいました。麻生の万福寺でもホタルが乱舞しているとのこと。

 ホタルを見て思ったのは、暗さが必要ダナーと言うこと。
 井田山だと明るすぎてホタルが可哀相。

 トンボにたくさん飛んでもらいましょうネ。

 ☆★☆恐縮ながら、宣伝。☆★☆

 竹井が参加している自然写真サークル「グループネイチャー」の写真展
 「自然讃歌」が今日から、高津市民館ギャラリーで始まります。
 川崎市内各所、町田市の小野路などの写真もあります。どうぞ。

 日時 2001年6月22日(金)〜27日(水)10:00〜18:00
    ただし、月曜日は休み。

 場所 高津市民館ギャラリー(丸井・ノクティプラザ2・12F)


井田山便り(6)2001年6月23日(土) 9:00-10:00曇り
昨日の夜、中原区役所で萩原さん、大谷さんにお会いしました。
 あちらは、原口さん、青山さんらと一緒の9月2日の健康の森フォ
 ーラムの打ち合わせ。私は「まちづくり推進委員会」の打ち合わせ。

   先週の蝶の草原の草刈り。大谷さんの姿が後半見えなかったの
   ですが、なんと、病院の井田さんと一緒に、カシの木の森の反
   対側の草刈りをしていたそうです。そうとは知らず、先に帰っ
   てしまってごめんなさい。

   スズメバチの話題も出て、「病院にハチ防具があり、昨年は、
   井田さんと牧内さんで駆除したはず。」だそうです。そう言え
   ば、そういう話しもあったような、、、、、
   また、お願いすることになるのでしょうか?


 今日は、工事も一段落したのか、休みの日なのか、工事はお休み。
 流れが落ちるところに、コンクリートの階段が出来ていました。
 また、上の流れの方は、丸太が数ケ所、打ち込んであるのと、どぶ
 さらいと言うか、小川の整理が進んでいます。

 子どもが「湧き水の場所が見たい。」ということで、一緒に行ったの
 ですが、浚渫した土が湧き水の場所に被さっていて、見ることが出来
 ませんでした。残念。


 ドクダミの花も少なくなってきたようです。
 ハルノゲシ、ツユクサ、タチイヌノフグリ、ヒルガオもあちこちに。
 アジサイも健在。鮮やかな青が印象的です。

 ヒメジョオン、シモツケ、ハキダメギク、ネジバナ、オカノトラノオ、
 キキョウなど。夏の花が徐々に姿を見せ始めたようです。

   ネジバナは、茎にらせん状に咲いていて、かわいいです。

 ヨウシュヤマゴボウが大きくなっています。
 タケニグサも目につき始めました。花はまだです。

 蝶の草原のササユリは、蕾が虫に食べられたのか、花は見ることが
 できませんでした。どうしちゃったのでしょう?

 キノコも目につきます。
 白とベニ色が鮮やかな平たいキノコに、ダンゴムシが乗っています。
 どうやら、ムシャムシャ食べているよう。食べた後はクシ状に固い
 ところが残っています。ダンゴムシにとって、キノコは御馳走の
 テーブルなんでしょうね。


 蝶の方は、モンシロチョウ、アゲハ、ヒメジャノメ、ジャノメチョウ?
 ベニシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミなど。


井田山便り(7)2001年7月1日(日) 13:00-14:00晴れ、暑い
梅雨はどこに行ったの?という感じですね。みなさん、お元気でしょうか。

 工事の方は、着々と進んでいるようで、「池」予定のところも、あらかた
 掘られていました。側面にパイプが差し込んであり、そこから、湧き水が
 流れ込んでいました。もっともポンプで小川の方に汲み出していましたが。

 そんな池(予定)の様子を見ていると、我々が参加する「池づくり」は何
 をするのだろう? まだ掘るのだろうか? 水が抜けないための粘土?と
 か、石を敷き詰めるのだろうか?  と、興味深々です。


 さて、その池の近く、畑との境、塀沿いの樹に花が咲いていました。
 とても良い匂いです。多分、トウネズミモチの木でしょう。
 蝶の好きな木であり、アゲハが花にとまっていました。

 蝶の草原の上の方にも、同じ木があり、こちらも咲いていました。
 同じようにアゲハがとまっていました。

 平地のところでは、モンシロチョウがカタバミとヒメジョオンの
 蜜を吸っていました。あと、アオスジアゲハ、キタテハ、シジミ
 チョウを見かけました。

 蝶の草原では、アゲハ、ベニシジミ。林の中ではヒカゲチョウ。
 コミスジ(フタスジチョウではないでしょうね)が、ツタの葉の
 上で、日光浴。羽をひろげたり、閉じたりしています。

   その昔は、飛んでいる様子で、コミスジかフタスジか、分かった
   のですが、ブランクのせいか、今ひとつです。リハビリが必要。

 先週みかけたタケニグサの成長と、花を楽しみにしていましたが、
 刈られてしまってました。白い葉の裏側を天に向けて、しなびていました。
 ちょっとガッカリ。

 アジサイも暑さのせいか、段々元気がなくなってきているようです。


井田山便り(8)2001年7月8日(日) 10:30-11:30晴れ
お天気が続いています。

 入り口から入って左手の、小川の流れの最後のところは、基礎工事は
 ほぼ完了という感じで、コンクリートの段々が姿を見せていました。
 あとは、いろいろ修飾していくのでしょう。

 最上流部では、流れの導入部に太いパイプが埋められていました。
 パイプの横には、池の方に向かって小さなパイプ・穴が見えました。
 どうやら、普段の流れが少ない時は、パイプの下をチョロチョロ流し、
 雨等で流量が増えて水嵩が増すと、横穴から、トンボ池の方に流れを
 誘導するという仕組みのようです。

 池(予定)の上をシオカラトンボが飛んでいました 。
 尾の青白さがきれいでした。

 入り口近くの栗のイガイガが育っています。色はまだ緑色で可愛いです。
 触ってみると、そんなに痛くもなく、なぜなぜできます。

 奥の方の、エゴノキにも、実が着き始めています。葉の裏側の暗い箇所
 に付いているので、ちょっと見にくいですが。

 いろんな木で、春の花が、実となりはじめる時期のようです。


 ツユクサの青、カタバミの黄が目につきます。
 アジサイも本当にお終いの感じ。と言っても、いつまもでも一花、二花は
 残るのかな?

 先週のトウネズミモチの花は続いています。アゲハ類が飛んでいます。

 蝶はモンシロチョウ、アゲハ、アオスジアゲハなど。
 山頂部では、クロアゲハが2羽、つるんで飛んでいます。

 蝶の草原には、ヤマトシジミの夏型がいました。
 春は羽の色は青系の色。夏になると、黒っぽくなります。それが夏型。

 赤っぽいベニシジミも、夏になると黒っぽい夏型になります。

 蝶の世界では、結構、色を変えるのが多いです。秋型もあります。


井田山便り(9)2001年7月14日(土) 9:00-10:30晴れ
今日も良い天気、と言うか、集合時刻で既に充分暑ーい状況。
 がんばって、蔓・蔦切りをしましょうねという感じ。

 ちょうど、この日の神奈川新聞に、前回の蝶の草原の草刈りの模様が
 紹介された記事が載りました。ネタの投げ込みは、神奈川、朝日、毎日、
 読売にしました。その方の新聞はどうだったでしょうか?

 区役所の区政推進課の方にも問い合わせが入ったようでした。
 対応方、ありがとうございました。その記事を参加のみなさんに、
 当日の作業内容等の一緒に配布させていただきました。


 さて、挨拶と簡単な説明の後、
  蔓・蔦切り班と、
  前回の蝶の草原の草刈りで残っていた下の方の草刈り・葛切り班と、
  頂上部の清掃班
 に分かれて、さっそく作業開始。10分くらい、連続して作業していると
 なんか、ふらーっとしてしまいそうな暑さ。10時過ぎに引き上げ。

  橋本会長が、「タヌキを見た」とのこと。
  静かに寝ていたのに、起こされて、いい迷惑だったでしょうね。

 反省点としては、山頂部に「水」を用意していなかったこと。
 かなりへばった人もいたようです。夏場は、開始時刻を繰り上げるとか、
 少し工夫が必要かもしれませんね。いずれにしろ、長時間の作業は危険。

 工事が行われている場所を避けて、再度、集合して、カマの研ぎ方の
 講習会。牧内さん、萩原さんが、説明開始。まず、やってみることからと
 何人かが、実際にカマと研ぎ石を手に、ジョリジョリ。

 そんな中を、クロアゲハがねゆったりと何回か飛んでいます。
 歓迎されているのか、はやく出て行けと言っているのか??

 池予定のところでは、アゲハが地面の湿ったところに止まって、水を
 吸っています。一説には、水を吸うのは体温を下げるためとのこと。

 シオカラトンボも水に誘われて飛んでいます。
 5月中旬頃は、尾っぽは褐色でしたが、今は、見事な青白さ。
 7月に入ってからシオカラを見かけた時は、既に今の尾っぽの色でした。
 いつ頃、色が変わるかは、来年への宿題ですね。

 その他の蝶は、モンシロチョウ、キチョウ、アオスジアゲハぐらい。

 花と言えば、北側の斜面に、ヤマユリの花が一つ、咲いていました。
 先週の7日(土)には、蝶の草原のところで、同じくヤマユリが一輪。
 南斜面と北斜面では、1週間ぐらいのズレがあるようです。

 ヤブラン?らしき姿もありました。ちょっと定かではないですが。

 庭先でも見ることもあるヨウシュヤマゴボウが目立っていました。
 何人かの方が、「あれと何?」と質問していました。
 北アメリカ原産で、明治初期に日本に入ってきたそうです。
 秋になると果実が黒紫になります。うちの子は、それをつぶして
 紙とかを染めるのに使って、遊んだりしています。

   このような外国から入ってきたのを、帰化植物といいます。
   有名なところでは、どこにでもあるセイヨウタンポポ。

   すっかり定着している帰化植物もあるし、セイタカアワダチソウ
   のように、どちらと言えば嫌われているのもあります。

   例えば、尾瀬などでは、外国からの植物に限らず、本来生えて
   いなかった植物が、人間に付いてきて、育ってしまうのは、
   やはり良くないねということになっています。排除もします。

   井田山ではどうでしょうか。まぁー、明らかに園芸植物のように
   誰かが植えなければ生えてこない植物は、場違いでしょうけど、
   人間の手を借りないで(体に付いてくるとか、靴に付いてくるとか
   は、止むを得ないとして)、自然に生えてくる植物は、人間が見て
   綺麗な花でも、いわゆる雑草でも、そのままにしておきたいなと思います。

  林の中のシュロとか、ヤツデとかはぞうでしょうか。雑木林には、
  ちょっと不似合い。伐ることも止むを得ないでしょうね。

  次の話しとして、草刈りは、どこまでやるんだ、雑木林の下草刈りの
  扱いはどうするんだ、、等々。議論は尽きぬ、浜の真砂よ、です。

   どういう森にしたいか、どういう自然を残していきたいのか、この辺は
   構想・検討の段階で議論してきたつもりです。今後は、どうやって、
   そのそれぞれのイメージに向かって、どうやって、維持管理していくか
   持っていくかの段階になってきたわけです。いずれにしろ、同じ目標の
   イメージを持ちながら、進めていく必要があるでしょう。

   相手は自然ですから、思うようにならない時もあるでしょう。失敗は
   失敗として、きちんとある程度、科学的に記録を積み重ねていくことが
   必要です。あと、出来れば、川崎市内の他の地区とネットワークを作って
   いろんな情報を共有できたら素晴らしいですね。

 と、固い話しになってしまいました。続きはまた、いずれ。


 さて、21日はいよいよ池作り。
 流れの導入部の太いパイプは、予想と違って、蓋されており、横穴から、
 水が出ているようになっていました。どうやら、池に誘導する?

 湧き水のパイプも、地面に潜っていました。

 みなさんの関心も大きい池。特に、水の流れ具合が???のまま。
 まぁー、それこそ、変だったり、失敗したら、来年、やり直せば
 良いやーぐらいの気持ちで、やりたいもんです。


井田山便り(10)2001年7月20日(金) 9:00-10:00曇り
ミーン、ミン、ミン、ミーン。ジーー、ジーー、ジーッ。
 井田山のセミがようやく鳴き始めました。夏本番、、、という感じ。

   でも、21日の池作りの時は、あまり、耳に入らなかったなー。??

 小川の流れまわりの工事も、全容をあらわし、ほぼ完了。
 花壇の枠も出来上がり、あとは、池作りを待つだけかなー?

 流れに沿って、シオカラトンボと、大きいオニヤンマが気持ち良さそうに?
 飛んでいます。たまに、縄張り争いか?、バトルらしき雰囲気も。

 アゲハもあいかわらず、湿った地面で水を吸っているようです。
 クロアゲハも、フワフワと、ゆったりと飛んでいます。

 ベニシジミ、ヤマトシジミ、モンシロチョウ、ヒメジャノメなども健在。

 黒褐色に白い線が2〜3本、入っているコミスジチョウが、水平に羽をひろげ、
 スイーーっ、、パタパタ、スイーーっ、、パタパタと、飛んでます。
 たまに、2匹がからまりながら、デュエットしています。


 ツユクサ、ハキダメグサなどが、あいかわらず、姿を見せています。
 ヤブランも、先週とは別な場所に咲いているのを発見しました。
 ヘビイチゴ?の赤い実もみかけました。

 アジサイは花の形を保ってはいますが、本当にお終い。
 トウネズミモチの花もそろそろ店じまい。
 栗の青いイガイガが落ちているのが目に付きました。どうしたのでしょう。

 池(予定)の奥に、新しく植樹された木。アラカシ、シラタシ、コブシ、エノキ。
 まだラベルも付いています。春先にコブシの花が咲くのが楽しみですね。

 橋本会長に入り口でお会いしました。いろいろ、ご苦労さまです。


井田山便り(11)2001年7月21日(土) 9:00-10:30晴れ
いよいよ、池作りです。何をやるかにとまどりながら、水打ち、土たたきと、
 作業が始まります。また、クイを打ったり、それぞれ仕事を見つけながら、
 にぎやかに進んでいきます。

 なんとなく一段落した感じで、あとは本職の方々に、よろしくと作業終了。
 工事の方々は、「なんか、素人がバタバタ中途半端にやってー。」と思われた
 でしょうが、まぁー、多めに見て下さい。

 最後に、ユニフォーム・ベストの相談などして、解散。
 次回は、8月26日(日)、水生植物の植える作業です。小雨決行です。

 9月2日(日)のオープニング・セレモニーの名称も決まったようです。
 「中原井田山の森おめでとう」だそうです。


 昨日同様、シオカラ、オニヤンマなど。日に日に、数が増えている感じも。
 水の匂いをかぎつけて集まってくるのでしょうか。この日、まだ赤くならない
 アキアカネも見かけました。空いっぱいに赤トンボが飛ぶ光景は素晴らしい
 でしょうね。いつのことだか。

 蝶は、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、アゲハ、クロアゲハなど。定番です。
 アッと、キタテハもみかけました。


 池作りには、いつもの東急CATVの取材も来ました。
 最後は、全員集合で、橋本会長の「9月2日、来てね。」の合図とともに
 みんなで、「待ってます。」と唱和。(なんか、セリフが違うかな?)

 本格放送は秋とのことですが、7月24日(火)の地域ニュースの
 時間帯に地域トピックスとして放送されるとのことです。
 17時、18時、19時、21時、22時から、30分です。

 区政推進課からも、田邉さん、平井さんも取材で参加。
 最後の集合写真を、お願いして撮ってもらいました。


 鶴見川流域では、毎年9月から11月にかけて、「鶴見川クリーンアップ」で
 川の清掃、ゴミ拾いを行っています。井田山の近くを流れている矢上川、
 井田山の湧き水も注いでいる矢上川も、鶴見川の支流の一つで、今年初めて、
 我々の会として、参加することになりました。

 下流の、「矢上川と遊ぶ会」と同じ日程で、10月13日(土)です。
 川床に下りて、ゴミ拾い等を行います。粗大ゴミは危険なので、位置等を
 マークして、行政等にお知らせします。

   ちなみに中原区のエリアを管理しているのは、神奈川県です。下流は
   国/国土交通省管理で、上流は川崎市管理で、管理もまちまちで、
   ちょっと川として一貫性がないので悲しいことです。


 そんな矢上川下流のイベントです。去年もやったとのことで、魚の追い込み
 漁?もあって、楽しいイベントのようです。よろしかったらどうぞ。
 **********************************
 7月28日(土)9:30〜12:00
 場所 :矢上川矢上橋下・慶応理工学部校舎裏手の矢上川
 集合 :スタッフは9:00
 持ち物:水の中に入れる運動靴・アミなど・帽子・飲み物
      スタッフ参加者はお持ちの方は胴長も。
 内容 :水質検査
      底生動物調べ
      お魚とり(追い込み漁をするので、参加者大歓迎)

 申込  庄司さんまで。出来るだけ早めに。
      小学4年生のお子さんまでは、保護者の方と一緒にご参加ください。
 **********************************

 余所の地区の活動情報です。

 **横浜市・烏山公園の草刈り**

 日時   7月29日(日)9:00〜12:00
 場所   烏山公園(市営地下鉄中川駅から徒歩5分)横の中川地区センター前
      広場に集合。事前申し込みは不要。
 連絡先 烏山公園愛護会・亀田

 以上

 PS イベント情報等入手した方は、竹井までお知らせ下さい。
    まとめて、広報等いたします。


井田山便り(12)2001年7月29日(日) 8:30-9:30曇り
ミーン、ミン、ミン、ミーン、ミーン、ジーーッ。
 井田山に近づいていくと、段々、セミの声が聞こえてきます。

 池の中の、水の溜まり具合、どんなんでしょう?と、見に行くと、
 まぁー、こんなもんでしょうかネ。早くも、植物プランクトン、
 藻?なのか、全体が緑っぽくなってきました。

 これから、どんな植物なり、動物たちが、池に増えていくかと
 思うと、楽しみですね。水質検査等、最初から定期的にやって
 おいた方が良いですね。


 さて、ベンチ、歩く道など、出来ていました。
 既に、年配の夫婦が散歩に来ていて、何やら斜面を指さしながら、「道」を
 歩いていました。「あんな木があるね。」なんて会話かな?


 尾っぽの根元が黄色っぽいトンボが飛んでいました。
 シオカラでしょうか? 遠くで見ただけでは良くわかなない。


 花の様子は前回通り。
 ヤブランが咲いている別な場所を見つけました。結構、あちこちに
 あるようでね。アジサイは、茶色く枯れ果ててしまっていました。

 蝶は、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、アゲハ、
 コミスジ(でした)、ジャノメ、ヒメジャノメなど、定番。


 週末に、尾瀬に行ってきました。
 去年は今頃、ニッコウキスゲが見事だったとのことでしたが、今年は
 猛暑のせいか、時期は過ぎていました。キンコウカが盛りでした。

 尾瀬で、ネジバナを見ました。井田山では、6月23日に咲いていました。
 井田山と尾瀬とで見ることの出来る花って、他に何があるでしょうか。
 オオバコも見かけましたが、こちらは、人間の靴にでもタネが付いていった
 ものなのでしょうね。

 まだ赤くない、赤とんぼも飛んでいました。
 赤とんぼは、活動すると10〜15度くらい体温が上がり、気温30度を
 超えると活動できなくなるそうです。里で生まれて、気温が上がってきたら、
 山の方に避暑に行き、たくさん食べて、赤くなって、また、里に戻ってきて
 産卵するというサイクルのようです。

 ひょっとして、井田山と尾瀬で、赤トンボが行き来するようになる、、かも。
 確かめようもありませんが。

 ではでは。


「井田山便り(13)」2001年8月15日(水)9:30-10:30曇り
ミーン、ミン、ミン。我が家の近くはジージー鳴くセミが多いですが、
 井田山ではミンミン鳴くセミが多いようです。脱け殻が見つかったり、
 「ジッ!」と、飛んでいる姿も目につきます。

 池の近くでは、すっかり銀色になったギンヤンマと赤トンボが、バトル?
 しながら飛んでいます。心なしか、赤トンボの尾も色づいてきた感じ。

  阿久澤さんから、2回ほど、集中豪雨であちこち崩れたとの話しを
   聞きました。手直しの後もあちこちに。ご苦労さまです。

   それにしても、雨というか水の力、自然の力はスゴイですね。
   小さいながら、「治水」の大変さを実感させられます。

 仕切られた花壇(予定)の黒い土から、草々の若葉が芽吹いてきています。
 こういうのも良いものですネ。花を植えた後は、抜かれる運命でしょうが。

 歩くルートには、ウッドチップが敷かれ、なんかそれらしくなってきています。

 ヨウシュヤマゴボウの実が紫になってきます。まだ、少数派ですが。
 ツユクサは相変わらず元気。
 イヌビエ(イネ科のいわゆる雑草ですが)の花も地味ですが、目立ちます。

 クズの花も好きなのですが、みなさんのクズ刈りのご苦労の結果、目に
 つきません。本当は少し残念です。これからかなー?

 ヤブランは健在。
 最初に見たのは7月14日ですから、結構、花期が長いのですね。

 目についた蝶は、ヤマトシジミ?のみ。ちょっと寂しい。曇りのせいかな。

 蝶の草原の斜面は、ツツジで区切られた一番上の段は、そんなに草が生えて
 いませんが、その下の「2の段」、「3の段」は、蔓やら、何やらがかなり
 生えてきています。9月29日(土)の「蝶の草原の草刈り」は、前回ほど
 ではないにしろ、作業量は結構あるでしょうネ。


 さて、** カタクリの謎は?! ** です。

 春に咲いた黄色いカタクリ?の正体が、(たぶん)分かりました。

 (たぶん)エリトロニウム・グランディフロルムでしょう。北米産で、
 あちらでは、「氷河のユリ glacier lily」と呼ばれています。
 一本の花茎の上部で、2〜3本分岐して、花をつけるそうです。

 日本のムラサキ色のカタクリの学名は、Erythronium japonicum。
 井田山のは、Erythronium grandiflorumで、同じユリ科カタクリ属です。

 去年、球根を植えた時の話しは良く聞いていませんでしたが、どこから
 入手したものなのかな? 日本で販売されているのかしら? 興味津々。

 カタクリ属の属名は、「赤い花を咲かせる」というギリシャ語に由来し、
 ヨーロッパ産のカタクリの花色に基づいて命名されました。しかし、
 その後、北米産のカタクリ属に、白色や黄色の花を咲かせる種が多く
 見つかり、今となっては不適切な属名になっているようです。

 カタクリ属は24種知られ、日本のカタクリを含めてユーラシアには4種。
 北米では、西部に15種、東部に6種。比較的新しい時代になってから、
 さかんに種分化したと見られています。

 カタクリ、エンレイソウ、ユキザサ、ホトトギスなど、美しい花を咲かせる
 ユリ科植物ですが、落葉樹を主体とする温帯林を主な生息地にしています。
 生活環境がきわめて安定し、季節の移り変わりも予測し易い環境の下、
 発育相の変化が比較的ゆっくりしていて、1世代の長さが20〜30年、
 中には50年にも及ぶものもあるようです。

 安定した環境を提供してくれる気候と森林の存在が、カタクリのような
 ゆっくりとした発育をする種を生んだということなのでしょうか。
 井田山でも、ホトトギスは見ることができますので、井田山も安定した
 森だった証明になるのでしょうか。

 じっくりと「氷河のユリ」を育てて、森の変化のバロメータとするのも
 良いかもしれませんね。


 ** お知らせ **

 里山関連の展示会です。
 http://www.nat.pref.ibaraki.jp/t/k/22/index.html。

 テーマ「人と自然のコミュニティスペース・里山」
     開発などにより荒廃し、失われつつある環境を後世に残していく
     ことを提案する。再現した里山に、実際の動植物や標本、パネル、
     映像などを展示。体験コーナーでは木登りも楽しめる。
 場所   ミュージアムパーク茨城県自然博物館
 期間  〜9月24日(月)月曜休館(9月24日は除く)9時半〜17時
 料金  大人720円、小中学生140円。量村。
 交通  東武野田線愛宕駅からバス自然博物館入り口。0297-38-2000。

 この辺からは電車で2時間ほどかかりそうで遠いですが面白そう。
 竹井が行くとしたら、9月の16日(日)か、最終日の24日(月)かなー?
 興味をもたれた方、ご一緒しませんか?


井田山便り(14)2001年8月26日・日 9:00-11:00曇り後晴れ間
ミーン、ミン、ミン。
 どうやら井田山はミンミンゼミが優勢のようです。
 少し、他のセミの鳴き声も聞こえ出しました。秋近しでしょうか。

 池には既に1cm弱のヤゴが沢山。水を入れて1ケ月ぐらいと
 いうのに、早いものです。驚き。アメンボもスイスイ、元気です。

 親の、シオカラトンボ、アカトンボらも元気です。

 子ども虫博士が、オオカマキリをつかまえました。
 脱皮したばかりなのか、羽も柔らかです。

 蝶はヤマトシジミ、ヒカゲ類。
 晴れ間が出てくるとアゲハチョウが元気よく飛び始めました。


 目につく花は、ツユクサ、ハキダメギク、ヤブラン。
 地味な草花として、ヘクソカズラ、ヌスビトハギ、ミズヒキ。
 だんだん秋の草花が目立ってきています。


 さて、本日の作業である,水生植物植えと花壇への花植え。

   池には、マコモ・クサヨシ・ガマ・ハナショウプ・クロモ・ヒシ・
   フトイ・オキ・セキショウ・チゴグサ・オモダカ・コナギ

   下の池も含めて、以上の種類だそうです。
   どれがどれだか分からないけど、少しずつ、、覚えましょうネ。

   花は、ペチュニア、日々草、バーベナなど。
   田辺哲夫様さんから、マツバボタンの差し入れもありました。

 その前に、金魚にお引き取りいただく捕り物。

  セルコの峰岸さんによると、特に、金魚、ザリガニは藻などを
  食べてしまって、このような池には良くないようようです。
  ブラックバス等も含めて、これからも目を光らす必要があります。
  年に1〜2度、かいぼりをして、生物調査と駆除が必要でしょうか。

 作業は順調に進み、余った花は、植えきれなかった芝生の隙間にも
 植えられました。みなさんご苦労さまでした。




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