利尻・礼文島 写真紀行

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 自分は北海道に生まれたが、まだ北の端の稚内には行ったことがないので、一度は行ってみたいと思っていた。  辺境観光旅行家のO君と以前 飲んだ時そんな話をしたら、彼は稚内と言っても利尻島や礼文島に興味があるようだった。後日 4月~5月の利尻礼文島ツアーで安いのがあったので、話を持ち掛けると 6~7月にならないと花が咲いていないのでダメだと言う。確かに6~7月になるとツアー料金が2倍以上になるのは、花が見頃になるための様である。彼が自分で旅をアレンジするからと言って、直ぐに飛行機の手配、宿の手配などをしてくれて、2019年6月初旬に行くことになった。色々なツアー会社から送られて来る旅行案内で利尻・礼文の観光が人気があるのは知っていたが、行ってみて成程と思った。花や絶景を見るために何度も訪れている旅行者が大勢いる。自分は花はあまり詳しくはないので、写真は撮ったが殆ど名前が判別できず、ほんの一部だけここに掲載している。そのため花の名前には確信が持てないので その旨御了承ください(カッコ書きは後日O君に聞いたもの)。それにしても利尻富士を360度色々なスポットで見ることが出来たのは素晴らしい経験だった。幸い概ね天気にも恵まれ、見る場所や雲の動きなどで様々な表情を見せてくれる利尻富士を堪能することが出来た。

6月3日夕方 稚内フェリーターミナルより出航。利尻島の鴛泊港に向かう。
稚内ノシャップ岬の先に利尻富士が見えてきた。
レンズ雲と利尻富士 レンズ雲と利尻富士

利尻島に近づいて来ると怪しげな雲が発生してきた。こんなにハッキリしたレンズ雲は初めて見たように思う。
利尻島鴛泊港に到着

この日は民宿「花りしり」泊。
利尻富士登山口

6月4日 朝9時近くに 宿の人に利尻富士登山口まで車で送ってもらう。今回は利尻富士には登らず、ハイキングする程度で途中で引き返すことになっていたので、登山靴や登山用のストックは持ってこなかったが、後でこれは少々甘かったことに気付く。
背の高い葉っぱ
甘露泉水

日本名水百選に選ばれた名水である。ペットボトルに入れて持っていくことにするが、味盲の私には水の味の違いが良く分からなかった。
小さな白い花(ツバメオモト)

葉の大きさに比べ花が小さいので一枚。
スズランのように見えるが、花が咲くと違う花(オオナルコユリ)になるのだろう。
小さな白い花 クルマバソウ

登る途中は小さな白い花を多く見かけた。O君は花の名前に詳しく、教えてくれるのだが、聞いてもすぐ忘れてしまうので、後で写真をPlantSnapで検索するが利尻・礼文島には固有種が多いので 出てきた名前もあまり当たっているように思えない。
マイヅルソウ
面白い葉と思って撮ったのだが、後日 自宅の近くの洗足池に犬の散歩で行った時、同じような葉が結構あるのに気が付いた。
ツマトリソウ
利尻富士6合目第一見晴台

森林地帯を抜けようやく山肌が見える6合目第一見晴らし台に到着。
利尻富士は正式名称が利尻山で、日本百名山の一つである。ここから見るとあまり急こう配には見えないが、頂上付近はガレ道で結構大変な登りだそうだ。通常登山する人は朝4時に出発しなければ、夕方までに戻れないと言う。先の方に白く見えるのは残雪である。
ここから引き返し、甘露泉水の辺りから姫沼に向かうことにした。
ポン山姫沼分岐点

6合目から下りる途中 浮石に足を取られ滑って右足の指を痛めてしまうが、案内板には姫沼まで80分とあるので、今からだと ゆっくり行っても時間的に大丈夫だと言うことで進むことにした。
姫沼トレッキングコース

平坦な道のりと思っていたが、谷越えが5回程あり、人が歩いた形跡もなく、顔に蜘蛛の巣が纏わりつくのを払いながら 写真を撮るどころではなかった。利尻富士の登り下りの行程でも、この姫沼トレッキングコースでも途中一度も登山者に会わない不思議な道中だった。足を引きずりながら結局2時間以上かかって、ようやく姫沼にたどり着いた。
O君は森林浴が出来たと強がりを言っていたが、後日 利尻島に昨年ヒグマが出没したと言う話を知り、この道中で会わなくて良かったとつくづく思った。
姫沼

姫沼に映る逆さ利尻富士を期待して来たのだが、ガスがかかって利尻富士が見えないので、立ち枯れた木の逆さ映りを撮って我慢する。
道中よく見かける花、高山植物の ミヤマオダマキ。
霧の姫沼と白鷺

姫沼のレストハウスの人にポン山から姫沼に来るコースが大変だったと話すと、利尻富士に登るのと同じくらい大変なのよと言われる。
姫沼展望台より鴛泊港方面を望む
姫沼下のバス停付近で見かけた花 ルピナス(昇り藤)、固有種のイブキトラノオにも似ている。

バスで夕方 宿に帰るが、宿の人が遅いので利尻富士で遭難したのではないかと心配してくれていた。宿の車の送迎で近くの温泉センターに行き山歩きの疲れをとるが、足指の痛みと日頃の不摂生がたたったのか翌日になっても筋肉痛が取れなかった。
オタトマリ沼から見た利尻富士

6月5日朝 礼文島行きのフェリーの出発まで時間があるので、半日レンタカーを借り、利尻島を一周することにした。
利尻富士頂上

島の南側から見る利尻富士は、ヒマラヤのエベレストやローツェの様な風貌を見せる。
利尻富士とカモメ

オタトマリ沼は海岸に近いせいもあり、カモメが多く飛来してきている。
オタトマリ沼

残念ながら風があり、湖面に波が立ち、ここでも逆さ利尻富士は見れなかった。
ここは利尻島の観光スポットで何台もの観光ツアーバスが来ていた。
お土産屋さんで利尻昆布等を買う。
南浜湿原からの利尻富士

富士山もそうだが、利尻富士も登るより下から眺めた方が良い山だと個人的には思う。
南浜湿原に映る逆さ利尻富士

とうとう逆さ利尻富士を見ることが出来た。直ぐ近くのオタトマリ沼では見ることが出来なかったが、ここは沼が小さいので波風がたたず、映り込んでいた。
南浜湿原からみた利尻富士山頂
南浜湿原より利尻富士を望む

島の最南端 仙法志御崎公園に向かう。
エゾイソツツジか?
仙法志御崎公園
仙法志御崎公園から利尻富士を望む
御崎公園の奇岩と利尻富士

フェリーの時間に間に合いそうだったので、島の西側に向かい利尻島を一周することにした。
エゾカンゾウ(本州ではニッコウキスゲやゼンテンカとも呼ぶ)
島の西側 沓形より利尻富士を望む

頂上の形がかなり変わってきた。
見返り台園地より利尻富士を望む

ここは利尻富士登山の鴛泊登山コースより上級と言われる沓形登山コースの登山口である。登山口までの登り道は狭い一車線でバスも通ると言うので、所々退避地はあるものの向こうからバスが来ないことを祈りつつ走る。
礼文行きフェリーの船上より望む利尻富士

お昼ごろ時間ギリギリでレンタカーを返し、フェリー乗り場まで送ってもらい、礼文島の香深に向かう。
宿の主人に教えてもらった 赤いアツモリソウ(本州にもあるホテイアツモリソウ)

6月5日午後 宿(民宿やざわ)に着くと、宿の主人がレンタカーを借りれば島の北側にあるレブンアツモリソウ群生地まで行って、食事までに戻れるよと言うので、また3時間程レンタカーを借りることになった。
レブンアツモリソウ

この花を見るためにわざわざ礼文島に通う人もいる有名な花。花の名の言われは、平敦盛(たいらのあつもり)が防具として背負っていた母衣(ほろ)に似ていることからつけられたと言う。
澄海(スカイ)岬

名の通り透明度の高いエメラルドグリーンの入り江。南国の島にでも来たかのような気分になる。
スカイ岬よりロシア方面を望む
スカイ岬よりゴロタ岬を望む

その先に今回は行かなかったが、礼文島最北端のスコトン岬があり、トレッキングコースもある。
帰り、レブンアツモリソウの群生地の管理人の方に聞いたアツモリソウの別の群生地にも寄ってみた。
珍しい花なので盗掘されることがあるのか、防犯カメラが設置されていた。
久種湖

スカイ岬の帰りに立ち寄る。水芭蕉の群生地などがある結構大きい湖のようだが、時間がないので散策はパス。
香深井の見内神社の鳥居より利尻富士を望む

宿の夕食時間になんとか間に合い、礼文島好きの山ガール(おばさん?)の一行と旅の話で楽しい夕食をし、近くの礼文温泉うすゆきの湯で疲れを取る。
桃岩展望台ハイキングコース

6月6日朝 知床までバスで行き、礼文島の有名なハイキングコース「桃岩展望台コース」を歩く。礼文島の花と利尻富士を眺めながら歩くことの出来る人気のハイキングコースである。
利尻富士は利尻島で見るより、礼文島から見た方が雄大な感じがする。利尻島で泊まった宿のおかみさんも、いつも利尻富士を見ているが、礼文島や稚内から見た時の利尻富士の雄大さにはびっくりしたと言っていたが、その通りだと思う。
知床からの利尻富士

利尻島全体が海から浮かび上がる利尻富士のように見える。
桃岩展望台ハイキングコースと利尻富士
元地灯台
元地灯台下のブルーの海と海鳥
桃岩展望台ハイキングコースよりキンバイの谷を望む。
元地灯台と日本海を望む
エゾハクサンイチゲ
レブンキンバイソウ?(キンバイの仲間)
キンバイの谷 元地集落方面を望む
キジムシロ?
雲から顔を出した利尻富士
バイケンソウのような葉に止まっているのはシマセンニュウだろうか?

花の名前も鳥の名前も中々覚えられない。
利尻富士

今日は北海道で宗谷地方だけが晴れで、他は雨だとう言う。ここは絶好のハイキング日和である。
二本突き出た茎の間から利尻富士を望む
猫岩

猫が座っているように見えると言うのだが。。
猫岩とキンバイの谷方面を望む
桃岩

礼文島にはもう10回も来ていると言う御夫婦がいて、花の名前やルートのことなど教えてくれたが、今年の陽気は例年より2週間ほど早く、風もなく夏の礼文島の様だと言っていた。
山頂に雲のかかる利尻富士
道中レブンウスユキソウと言う名の花を良く聞いたが、これはちょっと違うようだ。

O君はレブンウスユキソウの群生地がある林道コースに行くと言うが、自分は足の調子が良くないし、林道だと あまり写真は撮れないだろうと思い、市街地の方へ近道で下りることにした。
白い花の蜜を吸うハチ
香深港の赤い灯台と利尻富士

面白そうな雲が利尻富士に架かってきた、傘雲になるだろうか?
あれ 住宅地にもミヤマオダマキ?
傘利尻富士になるか?
香深港の漁船と利尻富士

結局 傘利尻富士にはならなかった。
この日は食事前に礼文温泉うすゆきの湯に行き、食事中は大いに飲むことにする。昆布焼酎が珍しかったが、自分にはあまり合わなかった。利尻島と礼文島の宿で出された食事は、自分にとっては一年分の北海道の食材を食べたような気分になった。
住宅地にエゾジカ

6月7日 稚内フェリーターミナルに 10時40分に着くが、4時間程飛行機の出発まで時間があったので、バスでノシャップ岬に出掛ける(根室のはノサップ岬、ともにアイヌ語で突き出たアゴと言う意味らしい。知床も根室管内にもあり稚内にはアイヌ語を語源とした同じ名前の地名が多い)。
自分の故郷の根室市内でも最近住宅地にエゾジカが現れるようだが、ここではかなり前から出没しているようである。
ノシャップ岬

水族館でフンボルトペンギンやアザラシを見て稚内市内に戻り、お土産を買って帰京する。東京は 今日から梅雨入りだそうだ。
梅雨のない北海道が羨ましいと思うこの頃である。

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